ニセコ町 環境配慮型住宅群などモデル地区構築に着手

2018年12月23日 15時00分

 ニセコ町は、2019年度から「NISEKO生活・モデル地区構築事業」に着手する。18年度に国からSDGs未来都市に選定されたことを受けて取り組む。市街地に近い同町富士見の農地を活用して、環境配慮型住宅による新たな生活空間形成を目指す。19年度は整備構想策定に取り組み、20年度に計画策定し、21年度に宅地造成する考えだ。

 環境配慮型住宅群の建設、人口増加による住宅不足解消、ヒートショックの予防とエネルギーコスト削減を図るとともに、町内会をはじめとする地域運営組織といった自治体活動などを進め、ニセコのブランド価値を高めるのが目的。

 町内の人口は増加傾向にあるが、公住はほぼ埋まっており、民間の共同住宅が少ないため、町外から通勤している就労者が多い。公住、個人所有の住宅で居住人数と部屋の広さに関するミスマッチも見られる。このため、市街地に近いエリアに、町外からの移住と町内ミスマッチ世帯の住み替え促進を狙っている。

 事業予定地は、同町富士見のさくら団地南側の農地約9ha。単に宅地分譲ではなく、新たな生活空間・街区のモデル地区として整備し、100人程度の居住者を呼び込む。

 民間活力を導入することで、戸建て、集合、賃貸などさまざまな種類による住宅を配置して、子育て世帯、高齢者などの入居を想定。エネルギーコスト削減の観点から、住宅には通常より高い基準の高気密・高断熱性を求める。

 電線類の地中化、近隣住宅を含めた羊蹄山への眺望に配慮するなど景観も生かす方針だ。

 モデル地区での19年度の検討内容は①概要整理・検討②概略設計③モデル建築群の詳細プラン作成④概算事業収支シミュレーション―の4点。

 概要整理・検討では、入居者の家族構成モデル、整備建築物の種類と戸数、自治組織の形成と役割、店舗やカーシェアといった付帯機能導入の可能性を調べる。

 例えば住宅には駐車場を設けず、屋根付き集合駐車場の整備や、共同住宅の1階部分にスペースを置き、医療やスーパーをそれぞれ週1回開くことを挙げている。

 概略設計では建築物の基準性能や公共空間を含む建築物配置、レイアウト、景観などを、詳細プランは世帯数や用途別の建築物詳細プラン作成、事業収支では整備費用や販売プラン、エネルギー需給に伴う試算などをする予定だ。

 整備予定地は19年度の農地転用手続きを経て、所有者から購入することにしている。


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