重大NEWS2018 (5)北海道ボールパーク

2018年12月21日 18時00分

誘致運動実り北広島市へ

 北海道の新たなシンボルと期待される北海道日本ハムファイターズの新球場、仮称・北海道ボールパーク(BP)。積極的な誘致運動が奏功し、建設地は北広島市に決まった。球場の全貌も明らかになると、ファンだけでなく全道民が注目した。開業は2023年3月を目指す。アクセス道路をはじめ周辺のインフラ整備を同時に進める必要があるが「世界がまだ見ぬBP」を実現するためにも官民の連携とスピード感が重要な鍵となる。

 北広島市は、球団の本拠地移転構想が示された16年6月、誘致に名乗りを上げた。12月には、きたひろしま総合運動公園を候補地に挙げ、アクセス道路新設や公園区域の土地の無償貸し付けなど積極的に支援策を提案。球団と実務者会議を重ね、ことし3月26日に内定、10月31日の正式決定を手にした。正式決定までの間、構想実現を後押しするボールパーク推進期成会が5月に発足。市や北広島商工会など官民で組織し、のぼり、ポスターなどを作り市民意識の高揚を図った。

さまざまな仕掛けが詰まった日ハムの新球場

 きたひろしま総合運動公園の敷地面積は約37ha。球場規模は、RC一部S造、地下1地上4階、延べ10万m²。収容人数は約3万5000人。コンセプトは「北海道のシンボルとなる空間を創造する」。食とスポーツを融合し、道民が愛着を持てる施設とする。建設費は約600億円を試算。設計施工は大林組と米国テキサスに拠点を置くHKSのコンソーシアム。

 開閉式の屋根は北海道の歴史を感じさせる切り妻型とし、2枚のうち1枚がスライドする。来場者にメジャーリーグのような臨場感や緊張感を味わってもらえるようフィールドは地上を1段掘り下げて整備。採光のため球場内はガラス張りのグラスウォールとする。

 スタンドには個別VIP席やスイートルームを備えるほか、座席のデザインを豊富に取りそろえ選べる楽しさを体験してもらう。レフトスタンド上段には天然温泉の温浴施設を設けて今までにない観戦形態を用意する。

■官民連携でインフラ整備を

 夢を盛り込むBP。「球場ができることで、まちの雰囲気は大きく変わる」と北広島商工会の藤山康雄会長。インフラ整備に携わる建設業に加え、飲食や製造、観光と幅広い業種に経済効果をもたらし、道内全域にも影響を与えるという。

 周辺のインフラ整備は待ったなしの状態で一刻も早い着手が望まれる。大量の観客を運ぶアクセス道路の新設や最寄りのJR新駅設置、上下水道整備などに関係機関は熱意と工夫をもって臨もうとしている。

 BPは、ファンでなくとも子どもから大人まで楽しめる可能性を大いに秘めている。市にとって悲願の誘致。これから官民一体となって開発を進めていく。完成が待ち遠しい。(おわり)


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