19年市況建設資材値上げ続く 背景に原材料や燃料費高騰

2019年01月10日 18時00分

 原材料費や輸送費などの高騰から、さまざまな資材の値上げが目立った2018年。そうした動きは年を明けても変わらず、むしろトイレや床材、エクステリア商品などエンドユーザーに近い製品へのコスト転嫁が広がろうとしている。今後予定されている建設資材の値上げ動向を見た。

 LIXILは、4月1日から一部の住宅用建材・設備のメーカー希望小売価格を順次改定する。トイレ類は3―8%程度、洗面化粧台などは2―5%ほど値上げする方針。ユニットバスルームやフェンス、カーポート、床材、カーテンレールなど対象は幅広い。

 原材料や燃料価格が上昇し、今後も大幅な原材料コスト増が見込まれることから、もはや企業努力のみで対応することは困難と判断。値上げに踏み切るという。

 昨秋以降、積水フーラーやセメダイン、コニシなど値上げが目立つ接着剤。19年に入ってもアイカ工業が接着剤全般を10%以上値上げした。ナフサなど石油化学原料の価格が上がっているためで、物流費や梱包(こんぽう)資材の価格上昇も要因になっている。

 原油やナフサ価格の高騰では、横浜ゴムが1日出荷分から、シーリング材やウレタン防水材といったハマタイト建築用製品のメーカー出荷価格を値上げした。上昇率は5―15%。今後、材料を扱うカーテンウォールや屋根防水の企業では、コスト転嫁の対応に迫られそうだ。

 内田洋行は、21日からオフィス家具製品の価格を平均3%値上げする。デスクや役員・応接家具などが対象。年々高騰する原材料費や人件費、燃料費、物流輸送費などの上昇が理由だという。

 三協アルミは、3月1日からエクステリア商品全般の価格を約5%アップさせる。原材料や資材価格の高騰、物流費の上昇で生産コストが影響を受けているため。コストダウンや業務合理化などでは吸収しきれないと判断した。

 北海道電力は2月分の電気料金を値上げする。低圧、高圧、特別高圧とも1㌔㍗時当たり16―17銭を改定。モデル家庭(契約30で1カ月230㌔㍗時を使用)の場合、1月分より40円高い7770円となる。

 北ガスも1m³当たり1円82銭を値上げする。1カ月当たり27m³を使用するモデル家庭(ちゅう房と給湯へのガス利用)の場合、前月比で49円高い5795円となる。

 このほか、コカ・コーラボトラーズジャパンは8日、4月出荷分から大型ペットボトル製品などの価格を改定すると発表した。コカ・コーラの1・5㍑ペットボトルで20円引き上げる。値上げは1992年以来で、物価の優等生も物流費の高騰など目下のコスト高には太刀打ちできなかった。


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