新たな出資でスタート スガイディノスCEO小笠原一郎氏

2019年01月14日 07時00分

 コンテンツを強化 価値向上生むプロデュースで

 札幌市内を中心に道内各地で映画館やボウリング場、ゲームセンターなどを運営するスガイディノス(本社・札幌)。ファンドからの出資を受けて2018年12月、RIZAPグループのSDエンターテイメント(同)から映画などエンターテインメント事業を引き継ぎ、新たなスタートを切った。スガイディノスCEOで、親会社スガイディノスホールディングスの小笠原一郎社長に今後の事業展開方針を聞いた。(経済産業部・佐々木 陽一)

 ―経営の枠組みはどのようなものか。

 北海道の地場経営者や東京でコンテンツビジネスをやっている人などでファンドを組成し、スガイディノスホールディングスを通じて「スガイディノス」というブランドを経営する。

 ファンドの出資者は、道内の投資家が60%ほどで、残る40%ほどが東京など。私が代表を務める北海道SOキャピタル(本社・札幌)がファンドの管理者となる。

 スガイディノスはシネマ、ゲーム、ボウリングなどのオペレーションに専念し、土地や建物は持たない。従業員や既存店舗は当面維持する。

 ―運営に当たり、検討していることは何か。

 趣味や好みが多様化しているので、それぞれが居やすい空間をつくりたい。例えば、ノルベサの6階にあるボウリング場やゴルフバーは、いわゆる「リア充」と呼ばれるような人たちの利用が多く、そうした空間に特化させても良い。

 ゲームセンターは、大会ができるくらいに規定台数をそろえ、メッカになるような場所にしても良い。今は、こだわっている人たちにリスペクトが集まる時代。大会ができるだとか、そうしたディープユーザーに愛してもらえるような施設も必要だと思う。

 ファンドの出資者には、アニメやゲームなどのコンテンツを持っている会社がある。そちらと組み、スガイディノスならではのUFOキャッチャーなどのキャラクター設定ができれば。

 ―売り上げ目標は。

 引き継いだエンターテインメント事業の直近の売上高は約40億円。いったんは多少シュリンク(減少)するかもしれないが、5年で10%くらい伸ばしたい。

 ―RIZAPグループによるディノス札幌中央ビルの解体、建て替え構想が浮上している。

 このビルは、スガイディノスにとってフラッグシップだった。いわば「聖地」がなくなるので、フロンティア精神を持って店舗展開しなければならないと思っている。別の場所を探す形になる。

 ―北海道SOキャピタルの抱負は。

 北海道の産業を元気にしたい。北海道だけで縮こまっていたら、新しいアイデアは生まれてこない。いろいろな人とのネットワーク、融合によって価値の向上が生まれるが、そうした情報は簡単には得られず、島国の北海道ではよりいっそう強くある。そうしたものをプロデュースできるような動き方をしたい。

 小笠原 一郎(おがさわら・いちろう)伊達市出身、37歳。公認会計士、税理士。大手監査法人を経て、2011年に札幌市内で公認会計士・税理士事務所を開設。障害者福祉施設、フィットネスジムを経営するほか、北海道SOキャピタル代表、カタギリ・コーポレーションの取締役などを務める。

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