おとなの養生訓

おとなの養生訓 第151回「胃もたれ」 1、2食抜いて休ませる

2019年01月11日 07時00分

 忘年会、年越し、新年会と、宴会が続きました。どうしても食べ過ぎ、飲み過ぎが、続いてしまいます。気が付くと、胃が重苦しく、胸やけがして、いわゆる「胃もたれ」の状態になってしまった方も多いのではないでしょうか。そもそも胃もたれとはどういう状態なのでしょうか。

 胃もたれと表現される状態の大半は、消化が進まず、胃の中に食べ物が長く滞留していることで、お腹が張った状態が長引いている場合になります。なぜ、消化が進まないのかというと、食べ過ぎが続くことで胃に一種の疲労が生じて、胃液の分泌と運動が低下してしまうからです。なので、一般に胃もたれは食後に起きるわけです。

 一方で、こうして疲労してしまった胃では、元来空腹であるはずのタイミングで食事をしても、すぐにお腹が張って、食欲が落ちてしまうことがあります。これも胃もたれと表現されます。空腹の胃に食べ物が入ると、その量に合わせて、胃の壁が緩んで拡張する作用があるのですが、これが疲労のために緩みにくくなり、すぐにお腹が一杯になってしまうからです。さらに胃の動きが悪くなると、食道と胃の境目の噴門が緩んで、胃液が食道に逆流し、胸やけが起こりやすくなります。つまり、胃もたれは胃の疲労と考えて不都合はないのです。

 では、その対処法ですが、つまり、胃の疲労をとることが、根本的だということです。手っ取り早い方法は、1、2食、抜いて、胃を休ませることです。また、十分な睡眠をとることも大事です。なぜなら、胃の疲労のもう一つの原因は、宴会などイベントが続くことによる気疲れ、つまりストレスである可能性が高いからです。

 食事を抜くのに抵抗のある人もいるでしょう。その場合は、胃に負担をかけない食事、つまり消化にいい食べ物を選ぶことです。タンパク質と脂肪は胃に負担をかけるので、肉類、揚げ物は避けて、うどん、おかゆ、そうめんあたりを控えめに食べることもよい方法です。

 手っ取り早く胃もたれを解消するなら、苦いものを口にする方法があります。苦味はそれだけで胃の運動を活発にする作用があるからです。煎茶、コヒーなどを濃い目に入れて飲むのがいいでしょう。苦い胃腸薬をいったん口に含んでからのみ込むという方法もあります。胃をいたわりましょう。 

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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