苫小牧市内の国道276号で室蘭開建が整備を進めている緑こ線橋架け換えが、全線供用まで1年を切った。擁壁や上部、下部を撤去し、現在は北側の地盤改良や交差する市道のボックスカルバート3カ所などを施工中だ。北海道胆振東部地震の影響もなく工事は順調に進んでいる。
1965年建設の緑こ線橋は、本来、片側1車線だが、2台並んで通行している狭い状態で、歩道もこ線橋部のみ。副道は片側1車線の対面通行で、本線と副道、市道との交差点が混在している状況。
耐震性を向上させ、安全な緊急輸送道路を確保するために架け換えることにし、
2017年12月から約2年間の通行止めとしている。
新しいこ線橋は片側2車線の中央分離帯を設けた完全な4車線道路で、全区間の両側に3mの歩道を設ける。拡幅に伴って副道も1車線の一方通行になる。
工事を担当する室蘭開建苫小牧道路事務所の萬直樹所長は「2年間通行止めで迂回をしてもらっているが、耐震性が向上し、複雑だった交差点部分は、副道を手前に集約することで車が通行しやすくなり、安心安全に使用できる」と述べ、「橋台が徐々に立ち上がり、姿が見えてくれば、供用開始に向けて住民は安心するのではないか」と話している。
室蘭開建の発注工事では、音羽北改良を門脇建設、音羽南改良を遠藤組、音羽改良を小林組、緑こ線橋下部を田中組でそれぞれ施工。JR北海道の関連工事は鉄建建設が担当している。
総事業費50億円のうち約30億円を執行した。こ線橋架設部分はことし夏ごろにも着工する見込みだ。(苫小牧)