旭川では過去10年で最多 18年建設業の労働災害発生

2019年01月18日 12時00分

■旭川労基署管内では97人

 旭川労基署は、2018年の建設業労災発生状況(速報値)をまとめた。休業4日以上の災害は前年確定値に比べ34人多い97人で、うち死亡は3人少ない2人を記録。過去10年で最多だった14年の88人を上回った。3月末まで被害状況を受け付け、年度明けに確定値となるため、05年以来13年ぶりとなる年間100人超えの恐れもある。

 業種別に見ると、土木は死亡2人を含む37人(9人増)、建築は41人(21人増)、木造建築は8人(2人減)、その他11人(6人増)の内訳。建築が約2倍と大幅増を示した。

 起因別では墜落・転落が最多の34人と全体の35.1%を占め、転倒が12人、挟まれ・巻き込まれと切れ・こすれが各10人、飛来・落下と激突されが各7人、激突と交通事故が各5人、動作の反動・無理な動作が4人、崩壊・倒壊が3人で続く。

 被災者の年齢構成は、50代が25人で最多。以下は60代21人、40代20人、30代15人、20代10人、70代5人、10代1人となっており、50―60代だけで約半数に上った。

 12月に受け付けた被害報告は土木3人、建築3人、木造建築とその他各1人の計8人。除雪作業中、グレーチングの位置を調整している際に手を切ったり、足元が滑って転倒し足を骨折するなど冬季特有の災害が多く発生した。

 18年を振り返ると、1月から前年同月を上回るペースが続き、4―7月はプラス14―15人で推移。8、9月は月ごとの増加傾向が弱まりを見せていた。

 しかし、10月になると一気に20人の被災報告が寄せられ、プラス31人と大幅に増加。1月からの累計は78人に上り、10月末時点で直近2年間の1年分(17年が63人、16年が66人)を上回った。

 11月は単月で11人が被災。累計は89人となり、過去10年で最多だった14年の88人を11月末時点で超えていた。

 また、18年は4月から幌加内町が旭川労基署の所管区域に編入となったが、4―12月中の同町内における建設業労災は3人だった。

■函館労基署管内は77人で4年ぶりに増加

 函館労基署は、管内業種別労災発生状況(休業4日以上)の2018年速報値をまとめた。建設業は前年比23人増の77人で、4年ぶりに増加。死亡災は12月の交通事故で、業種別最多の3人に上った。墜落・転落を中心に土木で26人、建築で24人と5割以上増えている。

 全産業は28人増の474人で、2年連続で前年を上回った。型別では転倒132人、墜落・転落81人、動作の反動・無理な動作60人など。労災が3割以上増えた建設業、清掃業、小売業で7人(うち交通事故死3人)が死亡し、前年確定値より2人多い。

 建設業では12月に土木、建築、木造建築で2人ずつ、その他で1人の計7人が被災。年間では土木が10人増の26人、建築が8人増の24人、木造建築が6人増の23人、その他が1人減の4人となっている。

 墜落・転落が31人で4割を超えた。全体的には冬型の労災が増えているほか、小規模現場での墜落が後を絶たないという。

 死亡災は送電線仮設での器具落下、トンネル内での重機接触、現場へ向かう途中の交通事故だった。

 同署は、路面状況が悪いため、引き続き交通事故防止を呼び掛けている。


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