十勝総合局の三井真局長は22日、帯広市内に位置する伏古別川改修(帯広建管)の現場視察と土木現場で働く女性職員との意見交換会を開いた。仕事内容や職場環境、やりがいについて現場代理人を務めるなど第一線で働く女性の生の声を聞いた。
十勝管内では男性に比べて女性の転出数が増加傾向にあり、同局では女性が働きやすい職場づくりを進めようと第1次産業などの現場で働く女性と三井局長の意見交換会を2018年から開いている。10月には林業、12月には農業に従事する女性が働く現場を見学し、日々の困り事や要望を聞いた。
この日は同局の星野信哉副局長も同行した。現場代理人を務める萩原建設工業の林真弓主任が工事概要を説明し、現場と事務所周辺を案内。女性用トイレや更衣室といった設備も紹介した。
その後、現場事務所で林主任、野田組の岩波雄子主任、村上土建開発工業の渡部泰花さん、徳井建設工業の林莉央さんの4人が三井局長、星野副局長と意見交換した。仕事自体は女性であることをハンディと思わず、作業員とのコミュニケーションなど女性であることを生かせる場面があると前向きだが、トイレや休憩所など仕事外の環境整備には配慮が欠ける点も多いと指摘した。
林主任は「建設業は男主体の仕事だが、女性だからできない仕事ではない。女性が入って声を挙げないと分からない部分もあるが、気持ちがあれば物おじせず飛び込める世界だ」と伝えた。
三井局長は「皆さん高い志を持って土木業界に入ったのだと感じた。現場の環境整備はわがままでない限り積極的に声に出してほしい。現業職は女性の感性や視点が産業を変える原動力になるし、今も女性が現場で元気に働いていることを若者やその親に知ってもらいたい」と振り返った。