日高管内7町長は28日、2015年から災害で不通が続くJR日高線鵡川―様似間に関し協議する臨時町長会議を、新ひだか町公民館で開いた。道の担当者が同席し、JR北海道側の動きとして、鵡川―様似間をバス転換する場合はJRが護岸修繕を検討すると報告。事業費は40億円としている。

取材に応じる坂下町長(左)
冒頭あいさつで日高町村会長の坂下一幸様似町長は「この異常な状態が4年になる」と指摘。「自分たちの思いだけでなく、現状を見据え早く実現できる公共交通はどうあるべきかの議論を展開している」と確認した。
非公開の会議後、坂下町長が協議内容を報道陣に報告した。
JR側はこれまで、鵡川―様似間全てをバス転換した場合、沿線の地域振興に協力すると約束。
今回はそれに加え、JRが所管する鉄道護岸に関して責任を持って復旧し、廃線後に管理者となる道へ引き渡すことを前向きに検討し始めた。
ただ、浸食が進む被災護岸に関してJRは現状の想定を超える分の費用を負担する考えはない。道もこれ以上の譲歩は見込めないとした。
7町長は鵡川―日高門別の鉄道再開を含む3つの方向性を示している。日高町が提案している鵡川―富川間の運行再開は、復旧費を除く維持費に2億1000万円が必要。費用負担の問題から、坂下町長は東胆振の沿線首長と協議する必要性を指摘している。
各町長は一部廃線容認で昨年11月に同意したが、12月の前回会合で浦河町が「休線」を提案。議論が進まず「これ以上待てない」と多数決を望む声も出たという。
坂下町長は「多数決にはなってほしくない」としながらも、被災から4年も経過した現状を危惧した。