北洋銀行は29日、2019年の道内企業業況見通しを発表した。北海道胆振東部地震の影響緩和により、全業種で業況が持ち直すと予測。全産業DIの売り上げは前年比10ポイント上昇のプラス4、利益は15ポイント上昇のマイナス1と見通した。
道内の取引先702社に18年11月中旬から12月中旬にかけて調査。建設業78社を含む389社が答えた。回答率は55.4%だった。
18年は9月の震災やコスト高などにより、製造業、非製造業とも業況が悪化。訪日外国人などの宿泊予約キャンセルが相次いだ観光関連業種の落ち込みが特に大きかった。このため、全産業では売り上げDIがマイナス6、利益DIマイナス16と、共に15ポイント低下した。
19年は売り上げ、利益ともに改善する見通し。北海道ふっこう割の効果などにより、ホテル・旅館業が回復してきたほか、運輸業で旅客、貨物の業況が持ち直している。
製造業のDIは、売り上げがプラス6、利益がゼロで、どちらも前年より上昇すると予測。食料品では、ホタテなどの水揚げが順調なことから、水産加工業を中心に業況が改善する見通し。鉄鋼・金属製品・機械は、持ち直しの動きが出ているとした。
非製造業のDIは、震災の影響が最も大きかったホテル・旅館業、運輸業が持ち直したことで、売り上げがプラス4、利益はマイナス1と、共に改善を見込む。一方、原油価格の上昇で、燃料などを扱う小売店の業況が悪化すると見通す。
今後、震災復興工事が本格化する建設業では、売り上げがマイナス12、利益がマイナス11と悪化を予測。企業からは「外注先の人手確保が遅れ、今後の事業継続が懸念される」「参議院選の動向などで公共工事予算編成に不透明な部分が多い」といった、人手不足による受注機会の喪失や公共投資の先行きを心配する声が目立った。
調査を担当した北海道二十一世紀総合研究所の担当者は「民間、公共工事ともに、見通しに慎重さがあった」と説明している。