苫小牧建設協会(宮崎英樹会長)は29日、元北海道日本ハムファイターズヘッドコーチの阿井英二郎氏を講師に招き、苫小牧市民会館で「ファイターズ戦士を育てあげた人材育成法―若手教育のヒントを学ぶ」と題し講演会を開催した。会員や一般市民合わせて約250人が参加した。
最初に山口志郎副会長は「ことしはたくさんの災害復旧工事が発注になる。作業員や技術者らマンパワー不足が心配されており、われわれも人材の確保と育成は重要な課題。講演会を有意義に活用して」と呼び掛けた。
阿井氏はコーチ時代の若手教育のエピソードを披露。中田翔、大谷翔平選手らを例に、高い評価を受けているファイターズの選手育成方法を紹介した。
この中で本人のやる気を引き出す「セルフリーダーシップ」が最も重要と強調。「コーチは目的、ビジョンを明確に示して行動を観察し、信頼感が構築されて初めて改善の指示をできる」とし、我慢と、押し付けないことの重要性を訴えた。
また、大谷選手がバッティング練習で、わざと失敗して成功する方法を見つけていた事例を紹介。自分をコントロールする「セルフモニタリング」が成長の鍵とした。
ファイターズでは、一人一人と面談しながら本人に合った指導方法を採用しているとし、「自分の強みを知り、自らやると決めると未来も変わる」と話した。