災害対応共有し今後の対策を考える 札幌で講演会

2019年02月05日 07時00分

 国土地理院北海道地方測量部と日本測量協会北海道支部は1月31日、札幌第1合同庁舎で北海道胆振東部地震への対応や今後の災害対策に関する講演会を開いた。測量関係従事者ら216人が参加。地震が発生した2018年9月6日を振り返った。

今後の災害対策を考えた

 札幌管区気象台気象防災部の高橋博地震情報官が、気象庁と札幌管区気象台の地震への対応について講演した。

 同気象台は、震度6弱以上の地震が起きると非常体制を取る。災害対策本部を設置し、関係職員が情報収集に当たる。6日午前5時40分に1回目の記者会見を実施。その後、数回に分けて地震解説資料を発表した。

 気象庁は、大規模な災害発生時に都道府県や市町村に職員を派遣する。地震後、道や胆振総合局、厚真、安平、むかわ各町に向かわせた。

 復旧作業には気象情報が欠かせない。「『きょうは大雨になりそうだから、土砂災害に気をつけて』といった情報を提供している」と高橋地震情報官は話した。

 国土交通省の発表によると、北海道胆振東部地震による崩壊面積は13・4平方㌔。北大大学院農学研究院の小山内信智特任教授は「明治以降では、際だって大きな数字だ」と解説した。

 比較的緩い勾配の斜面も崩れたことで、被害が拡大した。樽前山が噴火したときの降下火砕物が表層土となっている場所での崩壊が激しかったという。

 人的被害が最も大きかったのは、厚真町吉野地区。崩積土の上に集落が形成されていた。小山内特任教授は「地形と土地が持つ性質を理解することが重要」と指摘した。

 北海道開発局は、6日午前5時に室蘭開建、札幌開建とテレビ会議を開いて情報を共有。午前6時に国交省本省に状況を報告した。

 被災状況や支援ニーズの把握のため、32機関延べ812人を動員し、TEC―FORCEとして全道各地に派遣。開発局のヘリ「ほっかい号」で上空調査をしたり、衛星設備を活用してリアルタイムの映像を被災した自治体へ提供した。

 建設業者や自衛隊と連携し、倒木の処理や土砂の撤去を実施。緊急車両が通行できるよう、昼夜を問わず復旧作業を続けた。

 開発局事業振興部防災課の横浜秀明防災企画官はTEC―FORCEの活動を振り返り、「激甚災害の早期指定に貢献できた」と成果を強調した。

 国土地理院は、全国約1300カ所に電子基準点を設置している。地殻変動を捉えることができる重要なインフラだ。地震の影響により、「門別」で南方向に5cm、「苫小牧」で東方向に約4cmの移動が確認された。

 空中写真で鉄塔の被害箇所を把握できたため、北海道電力に情報提供をした。

 地図を通じて、地域の防災活動・教育に貢献したいと考え。西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県坂町小屋浦地区では、111年前に起きた土砂災害の教訓を伝える石碑があったが、住民の避難率は低かった。企画部防災推進室の滝修

一防災調整係長は「過去の災害の教訓が十分に生かされていない」と指摘。全国の自然災害伝承碑の情報を紙地図やウェブ地図に掲載することを検討しているとした。


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