フジタ2期連続でトップ 18年度4―12月受注高

2019年02月05日 08時00分

 北海道建設新聞社は、2018年度第3四半期末(4―12月)のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。フジタが360億9500万円となり、上半期末(4―9月)に続いて首位を守った。フジタが2期連続でトップに立つのは07年度に調査の集計方法を暦年から年度に変更して以降初めてで、受注額も過去最高額を更新した。2位は官庁土木トップの岩田地崎建設で、鹿島が前年度の11位から3位にランクアップした。上位5位までが250億円以上の受注額。上位50社の受注総額は5048億800万円となり、初めて5000億円台に乗せた前年度同期に続いて2年連続で大台をクリアした。前年度同期に比べると4%、約210億円の減少。分野別では民間建築だけが前年度同期を上回った。全264社の平均受注額は29億4000万円。前年度は初めて30億円台に乗せたが、今期は届かなかった。

 上位10社は道内企業と道外企業が半々という内訳。このうち、フジタ、岩田地崎建設、中山組の3社が過去最高の受注額を更新した。

 フジタは360億9500万円の受注額。第2四半期(7―9月)にニセコ地区の超大型リゾート開発案件を計上し、第3四半期(10―12月)もニセコ花園リゾート新スキーセンター新築を積み上げたことから2期連続でトップとなった。

 2位の岩田地崎建設は359億4700万円の受注額で、過去最高額を更新。第3四半期は民間建築の仮称・札幌S3W3計画を単独、官庁建築の札幌医大大学管理施設改築1工区を共同体のメインで受注したほか、官庁土木で厚真川水系日高幌内川斜面崩壊緊急対策を落札している。

 3位は279億3700万円の鹿島。上半期から136億円上乗せした。建築で第一滝本館南館改修補強や日本血液製剤機構千歳工場M1棟建設を射止めている。

 中山組が267億5700万円で4位に入った。札幌開建の石狩川右岸妹背牛町妹背牛地先災害復旧ほかの受注が主なところ。

 5位の大林組が255億7600万円の受注。北海道クールロジスティックプレイスの温度管理型冷凍冷蔵庫新築を請け負った。

 6位の宮坂建設工業は199億5500万円。建築で帯広市西3・9周辺地区第1種市街地再開発事業新築Aブロック(事務所・駐車場棟)と芽室町役場庁舎整備を共同体のメインで受注したほか、土木でも石狩川右岸新十津川町花月地先災害復旧を単独で落札した。

 7位の大成建設の受注額は189億100万円で、上半期から約100億円の上積み。北海道防衛局の稚内(30)局舎新設建築と北海道科学大D棟(工学部西棟)新築ほかを計上した。

 伊藤組土建が157億4900万円の受注額で8位。道道泊共和線交付金芽沼2号トンネルと札幌医大教育研究施設Ⅱ改築1工区を共同体のメインで落札し、民間建築のFENIXFURANO新築も積み上げた。

 9位の岩倉建設は156億1800万円。札幌医大教育研究施設Ⅱ改築2工区を共同体のメイン、札幌市水道局の平岸配水池水力発電施設新築を単独で落札した。

 戸田建設が10位で、147億2100万円の受注額。FA(ファクトリーオートメーション)向け機械装置やユニット機器製品の設計開発などを手掛けるSUSが苫東工業団地内に新築しているサービス拠点施設が主な受注案件。

 上位50社を見ると、15位の丸彦渡辺建設から上位が100億円以上の受注額。前年度同期に96位だった飛島建設が13位、79位だった鉄建建設が18位に入り、丸竹竹田組が76位から40位、西江建設が65位から43位に上昇した。このほか、石塚建設興業、奥村組、前田建設工業、草別組も上位50社に入った。

 分野ごとの上位5社は、官庁土木が①岩田地崎建設②鹿島③岩倉建設④中山組⑤飛島建設、民間土木が①清水建設②NIPPO③日本道路④道路工業⑤五洋建設、官庁建築が①大成建設②丸竹竹田組③丸彦渡辺建設④岩倉建設⑤伊藤組土建、民間建築が①フジタ②大林組③岩田地崎建設④鹿島⑤中山組―の順。

 上位50社の受注総額は5048億852万9000円。前年度同期に比べ約210億円減少したが、2年連続の5000億円台をキープした。内訳は、官庁が前年度同期に比べ17.4%減の1656億5068万6000円で、土木が2割近く、建築が1割近く落ち込んだ。一方、民間は建築の伸びに支えられ4.2%増の3391億5784万3000円に上っている。

 土木の合計は1702億985万9000円で16%の減少。官庁は災害復旧工事が落ち着いてきたことなどから19.4%減の1290億7246万6000円にとどまり、民間は3%減の411億3739万3000円だった。

 建築の合計は3.5%増の3345億9867万円で、2年連続で3000億円台に乗せた。官庁は365億7822万円で9.5%の減少となったが、民間が5.4%増の2980億2045万円まで伸びた。

 07年度以降の受注高を分野ごとに見ると、民間建築が過去最高額となった17年度をさらに上回って記録を更新したが、民間土木は最も少なかった16年度に次いで2番目に低い受注額に。官庁土木は上位から4番目、官庁建築は同じく6番目に位置している。

 回答を寄せた51位以下を含む1社当たりの平均受注額は29億4067万4000円で、前年度同期に比べ3.1%減少した。

 2019年2月5日付の北海道建設新聞紙面および有料会員サイトe-kensinプラスでは、2018年度第3四半期(4-12月末)のゼネコン受注高ランキングを、個別金額含めた一覧表で掲載しています。

関連キーワード: ゼネコン道内受注高

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