昨年12月に東京都内で開かれた、内閣府地方創生推進室主催の「地方創生☆政策アイデアコンテスト2018」の最終審査会にファイナリストとして斜里高が出場し、協賛企業賞を獲得した。本道の代表が全国大会に出場したのは、2016年度の小樽商大に続き2回目となる。
このコンテストは、人の流れや産業構造など官民のビッグデータを可視化できる「地域経済分析システム(RESAS)」を活用して、地域活性化へのアイデアを高校生・中学生以下と大学生以上・一般の部門に分かれて競い合うもの。15年度に始まり、18年度は高校生・中学生以下の部に228件の応募があった。
知床半島や斜里岳、流氷など観光資源が豊富な斜里町だが、知床が世界自然遺産に登録された05年をピークに観光客は減少、近年は110万人前後と伸び悩んでいる。遊覧船やトレッキングなどエコツアーを楽しめる夏季に比べ、冬季の落ち込みが課題となっている。
これを踏まえ同高は、冬季の観光振興に目を向け「シリエトク!ウパシから得る感交」をテーマに、コンテストへの応募を決めた。「ウパシ」はアイヌ語で雪を意味し、自然を感じながら多くの人が斜里を訪れ交流してほしいとの願いを込めた。8月に神戸で開催された観光甲子園で銀賞に輝いたのも背中を押した。
生徒たちは夏休みを利用し、アジアや欧米からの観光客に対し冬に体験したいコンテンツを英語のパネルを用いて聞いた。3年生の谷本幸穂さんは、「携帯の写真も見せてもらって、好みを把握した。アジア人は食べ物の写真が多く、欧米人は景色や動物の写真が多い印象だった」と振り返る。
調査で人気だったものを基に、3日間の観光プランを作成。1日目はワカサギ釣りとホーストレッキング、2日目はアイヌ文化とスノートレッキング体験、高校生による知床夜話、3日目は流氷ウオーク、郷土料理のちゃんちゃん焼き作り、流氷フェスへの参加を盛り込んだ。
最終審査会で発表を担当した3年生の水島レイカさんは「斜里の魅力を知ってもらいたい気持ちで乗り切った。これからも多くの人に斜里を訪れてもらいたい」と話していた。