水銀フリーのオゾン濃度測定装置を開発 光電鍍工業所

2019年02月10日 15時00分

 光電鍍工業所(本社・東京)は、空気や水などの殺菌に利用される深紫外半導体発光素子(深紫外LED)を活用したオゾン濃度測定装置を開発した。主流となっている水銀ランプを用いた同種装置との置き換えによる普及を狙い、浄水場や下水処理場などオゾン発生器を利用した水処理施設に向けて提案を進める。

 都道府県と政令市は、大気汚染防止法に基づき、オゾン濃度などの大気環境の常時監視が義務付けられている。オゾン濃度測定は、水銀ランプを利用する装置が一般的だ。しかし、環境負荷低減の意識の高まりに伴い、使用済み水銀ランプの廃棄などが課題となっている。

装置本体(右)と解析用パソコンのセット

 同社は、ピーク時の波長がオゾン検出に適した波長光に近いという深紫外LEDの特長を活用。装置内部でオゾンが発生している状況とオゾンのない状況を生みだし、光検出器で受光量を調べて判定する。水銀ランプと違って外部機構を利用せずに高精度測定が可能なため、装置本体を小型化でき、設置の自由度も高めた。

菅野光男社長

 同社は従業員数5人のメッキ工場。都内には270社近くの同業者がいるが、競争の激化と廃業が進んでいる。他社での勤務時代に専門的に研究していた半導体の知識に活路を見いだしたのが菅野光男社長。立命館大との共同研究で、従来は殺菌や脱臭への活用がほとんどだった深紫外LEDをオゾン検知に応用することに成功した。

 菅野社長によると、国内には約8000台のオゾン測定器が自治体により設置されていて、そのほとんどが水銀ランプの装置だという。LEDに比べて寿命の短い水銀ランプは、交換・廃棄が早いサイクルで必要になるため、「水銀フリー」の妨げになっている。

 同社によると、オゾン測定に深紫外LEDを活用した装置は、国内外で例がないという。高精度なオゾン濃度測定や水銀を使わない装置が普及すれば、安全性の向上と環境保護につながるとして、海外の企業からも注目を集めている。

 菅野社長は「今までは水銀ランプの代替品がなかったが、市場のシェアをひっくり返す可能性を秘めている。今後はフィールドテストを進め、性能を証明したい」と意気込み、「小さな工場からも夢や元気を見せられれば」と話している。


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