大樹町議会は11日、第2回定例会で一般質問を行い、工事入札が中止になっていた学童保育所・児童館建設について酒森正人町長が建設をいったん白紙にする考えを明らかにした。2020年度に着工予定の役場庁舎建設を優先するため。当初はことし4月の開園を目指していた施設で、酒森町長は児童や保護者、関係者らに謝罪した。
同施設は双葉町4の1に建設し、規模はW一部S造、平屋、延べ1405m²で概算事業費は7億6696万円を見込んでいた。設計は隈研吾建築都市設計事務所が担当。18年5月の入札では主体で指名を受けた2共同体が辞退し機械、電気も合わせて中止した。辞退者からは「工事原価が予定価格を上回っている」などの声が挙がっていた。
安田清之議員が入札中止に至った経緯と今後の計画について質問。酒森町長は町と設計者間で原因調査し、設計図の不備や設計図間の不整合が主な要因になったことを明かした。
また同設計事務所を主宰する隈研吾氏から信書を受けていたことを明かし「迷惑を掛けたことに対する謝罪と自身が手掛けた建物を町に残すことを切望している旨が記されていた」と報告した。
今後の建設計画については「役場庁舎建設を最優先に考えているため、いったん白紙にする。施設の必要性は認識しているので、実施時期や整備内容はあらためて検討していく」と話し、設計については「一部修正が必要だが、どのように扱うかは再度依頼するかも踏まえ熟慮していきたい」と考えを示した。