札幌市円山動物園で12日、待望のゾウ舎がオープンした。冬でも水浴びできる国内初の屋内プールを備える施設で、4頭が生き生きと暮らす。12年ぶりとなる同園のゾウを見た来園者たちは「近い」「かわいい」と歓声を上げ、その姿を写真に収めていた。
地下1地上2階、RC一部S造、延べ3406m²、屋外放飼場約3000m²と国内最大級の規模で、建設費約30億円を投じた。主体の基本・実施設計は大建設計、工事は岩倉建設が担当した。
2018年9月にミャンマーから寄贈された雌3頭、雄1頭が暮らす。
屋外施設は敷地勾配や放飼場の高低差を利用し、さまざまな角度から観覧が可能となる。屋内施設では最大水深3mの室内プール水中をガラス越しに観察できるほか、地上から見られる区域を配置。教育プログラムを実施するレクチャールームなども設けた。
放飼場床材に屋内で深さ1m、屋外で0.5mの砂を使用し、足の健康を維持するなど、生き生きと暮らす環境を実現するための工夫を随所に施す。飼育方法は、特別な柵越しに健康管理をする「準間接飼育方法」で、ゾウと人の安全を守る。
ゾウのキャラクターが大好きで会える日を心待ちにしていた、3歳の高田湊ちゃんは「ゾウに会えてうれしい」と喜んでいた。
加藤修園長は「さまざまな角度から観察できるので、何度も来園してほしい」と期待を寄せた。