北海道開発局は20日、帯広市内のとかち館で、大樹町内の道の駅を拠点とした自動運転サービスに関する地域実験協議会を開いた。5月の大型連休明け以降の実施が見込まれる2回目の実証実験は、1カ月にわたって市街地循環便と、尾田地区と道の駅を結ぶ郊外便を運行させる。実験期間の最終週には、帯広・広尾自動車道を活用して特別に帯広―大樹間を運行する都市間快速バスと乗り継ぎできるよう連携し、広域の公共交通網形成の可能性を探る。
全国13カ所で実施している中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービスの実証実験のうち、4カ所が長期間の実験に移行しており、大樹町が5カ所目となる。
車両は、前回の実験と同様に先進モビリティ(本社・東京)のバスを使う。定員は乗客17人で速度は時速35㌔程度としている。ドライバーが運転席に乗車しハンドルに手を添えた状態で加速や操舵(そうだ)、制御を行うレベル2の状態で実験する。
市街地循環便は道の駅を起終点に主要な団地や中学校、病院を一回りする4㌔を設定した。郊外便の延長は12・5㌔。円滑な通行を確保するため、尾田地区内では自動運転車両を優先的に走行させる区間を1・5㌔設ける。上大樹の仮設停留所では磁気マーカーを70㍍にわたって埋設し、停車位置の精度を検証する。
利用者の登録や予約受け付けなどを担う運行管理センターは、将来の運営主体として想定する大樹町社会福祉協議会と連携して運営する。
実験期間の最終週には、帯広―大樹間を運行する都市間快速バスと乗り継ぎできるようにダイヤを組む。中札内村の住民にも利用できるよう、中間の停留所である中札内ICと村中心部を結ぶシャトルバスも運行する。