十勝川を背景にツルの舞を披露―。アイヌ民族の伝統舞踊「サロルンリムセ」の鑑賞会が24日、池田町内の十勝川千代田堰堤展望公園で開かれた。帯広カムイトウウポポ保存会と平取アイヌ文化保存会のメンバー26人がそれぞれの地域で受け継いできた踊りを舞った。
十勝管内のアイヌ協会のほかに、十勝川中流部市民協働会議などで構成する実行委員会の主催。同会議は帯広市内の建設業者や建設コンサルタント、環境保護団体、高校生など地元関係者で構成。昨年10月に約30年ぶりに実施した伝統儀式「アシリチェプノミ」の際にも協力したが、今回も事務的な業務や会場設営などを手伝った。資金は、クラウドファンディングを活用し広く募集したが目標額の10万円を越える14万1000円が集まった。
当日はあいにくの空模様だったが、帯広、平取の両保存会のメンバーは寒さに負けずそれぞれツルが空へ飛び立つ様子を踊りで表現した。
北海道アイヌ協会理事の小川哲也小川建設工業社長は「イベントをきっかけに皆さんの手が届くようアイヌ文化が広まっていったら。今後も継続できるようにしたい」と話していた。(帯広)
(2019年3月26日付13面より)