札幌管区気象台は25日、北海道地方の地球温暖化予測情報を発表した。21世紀末(2076―95年)の年平均気温は5度程度上昇する見通し。大雨などの発生頻度も増加し、日降水量100㍉以上の大雨や1時間降水量30㍉以上の短時間強雨は1地点当たり年に1日程度の出現が予測されている。
気象庁が17年3月にまとめた最も高程度の温室効果ガス排出が続くシナリオ予測情報「地球温暖化予測情報第9巻」を基に、道内地域の予測を解析した。
道内の年平均気温は、20世紀末(1980―99年)と比べると、5度程度上昇する見通し。気温の上昇により海氷や積雪が融解・減少し、地表面における太陽光の吸収が強まることで、全国平均の4・5度を上回る予測となった。特に冬は解氷の影響を受けやすく、5・9度上昇と高くなる。最高気温は4・8度上昇と予測。とりわけ海氷の融解の影響を大きく受けるオホーツク海側の冬では5・6度と大きな上昇が推測される。
1981―2010年と比べると、最高気温が25度以上の夏日は、年に約52日増加し、21世紀末には90日程度出現する。最高気温が30度を超える真夏日は21日増の25日程度の出現が予測される。最高気温35度以上の猛暑日は、現在ほとんど出現していないが、21世紀末には年数日程度は出現するようになる。
一方、最低気温がマイナスの冬日は58日減少し、現在の3分の2の100日程度となる。最高気温がマイナスの真冬日は51日減少の10日程度の出現になると予測した。
年降水量を見ると、約120㍉増加する見通しとなっていて、特に日本海側と太平洋側では変化が大きくなる。大雨と短時間強雨は、ほぼ毎年発生する予測となった。どちらも太平洋側ではやや多くなる見通し。同時に年最大降水量も20―30㍉程度増加する。
年最深積雪量は、約44%減少する。沿岸部と比べて寒冷な内陸部では、地球温暖化がある程度進行した場合でも積雪が持続しやすいことから減少率が小さくなっている。降雪量は、約38%減少する見通しで、特に太平洋側では約48%と大きく減少すると予測した。