北海道電力は28日、2014年から整備を進めてきた、本州との電力融通に用いる新たな北海道本州間連系設備(北本連系)が完成し、同日午後3時に運転開始したと発表した。容量は30万㌔㍗で、既存設備と合わせて90万㌔㍗の規模となった。
北電は、電源開発が所有する既設設備60万㌔㍗だけでは安定供給できないとの考えから、自前の設備整備を決定。14年4月に着工した。
新北本連系は道南の北斗変換所と、津軽海峡を挟んで対岸の今別変換所を結ぶルートで、電圧250㌔、延長122㌔。津軽海峡部分は青函トンネル内にケーブルを渡している。
総工事費は約600億円。変換所は東芝と北海電気工事、架空線は北海電気工事と北弘電社、東光電気工事、サンテック、ユアテックが施工を担当。青函トンネル内を中心とする地中電線工事は住友電気工業と北弘電社が担った。
北海道胆振東部地震に伴うブラックアウトで、北本連系の役割が注目され、国を中心にさらなる増強が検討されている。
(2019年3月29日付2面より)