道内のガソリン、軽油市況が上値の重い展開になっている。石油元売りの特約・販売店向け卸価格はじりじりと値上がり傾向にあるが、旭川や帯広など激戦区を中心とした販売競争から、上がったり下がったりを繰り返している。札幌は1㍑当たり141・8円が中心値で、2月から行き詰まりの状態にある。
資源エネルギー庁の調査によると、3月25日時点の道内ガソリン平均価格は145・8円。3月1週目は3・3円上昇したものの、2週目は1円、3週目は0・6円値下がりし、4週目で1円上昇した。1カ月のトータルでは2・7円の値上がりにとどまった。軽油も同様の展開にある。
アジア指標原油となる中東産ドバイ原油は、3月下旬で1当たり66㌦から67㌦ほどで推移。2月下旬に比べ1―2㌦ほど上昇している。対ドルの為替相場は111円台で大きく動いていない。
石油元売りの卸価格は系列によって違いがあるものの、3月の1カ月間でおおむね1―2円ほど上昇したもよう。しかし帯広や旭川は、長引く価格競争から目立ったコスト転嫁には至っていない。
札幌はセルフ式スタンドを中心に141・8円が大勢。3月上旬は卸価格の上昇からフルサービス店を中心にコスト転嫁が進んだが、安値量販店などの追随が続かず、元の水準に戻っている。
上川管内の石油販売業者は「元売りが3強の時代になったので、昔のような量販競争は起こりにくくなると思う。期待値も込め、極端な市況の乱高下は少なくなるのでは」とみている。
朝晩を中心に依然として降雪に見舞われるものの、灯油商戦は4月とともに終盤を迎えた。3月25日時点で店頭売りは90・6円、配達売りは92・4円。1月から大きな値動きがなく、堅調な推移でシーズンが終わろうとしている。