10月末の完工目指し旧帯広厚生病院の解体が着々と進む 

2019年04月04日 12時00分

 帯広市内でも有数の大規模建築物である旧帯広厚生病院の解体が着々と進んでいる。工事を請け負う市川組(本社・帯広)は、近隣に帯広市庁舎などが集積し人通りが多い中、第三者事故や労働災害に念入りに注意しながら作業を進め、昨年11月に着工した工事の進捗(しんちょく)はことし3月末で45%程度まで達した。今後も10月末の完工まで気の抜けない日々が続きそうだ。

 北海道厚生農業協同組合連合会は帯広厚生病院を西14条南9丁目に移転改築し、18年11月に開業。西6条南8丁目の旧病院は、北棟である救命救急センターを残して他の病棟は解体することとし、市川組が同月から工事を進めている。

基礎の解体ではブレーカーでスラブ材を破壊しバックホーでかき出していった

 解体する病棟は南棟や東棟、西棟、南玄関ホール棟、MRI棟で構成し地下1地上8階、延べ3万701m²に上る。作業は、内部のエアコンや蛍光灯など設備の取り外しから始め、内装材の除去を経て躯体の解体に入る。1月から3月にかけて南棟や東棟、西棟の各棟で並行して作業を進めたことから多い日は約100人が作業。重機は、再生砂利の加工を含め14台が稼働する日もあった。

 躯体の解体は、重機が入れるスペースを考え現場内の駐車場に近い南棟から着手。同棟は地下の基礎を含めほぼ完了した。現在は東棟や南玄関ホールの基礎解体を進めている最中で、ブレーカーがスラブ材を破壊し、それをバックホーがかき出していた。

 工期中に発生するコンクリートがらは2万m³に上る見通し。8割は再生砂利に加工し、現場の埋め戻しに活用される。

 建物の高さが最大36mあることから、常に墜落への危険に気を配らなくてならない。現場代理人を務める柴田浩二建築部長は「安全に留意しながら進めていかないといけない。なるべく市民の方々に迷惑を掛けないようにしていく」と気を引き締めていた。

 解体後の更地は、元の土地所有者と売却契約を結んだほくやく・竹山ホールディングスが十勝管内にあるグループ会社の事務所や倉庫などを集約した多機能センター新築を計画している。近隣で完成した帯広第2地方合同庁舎や工事中の西3・9周辺地区第1種市街地再開発に続き、解体を経てまた一つ中心市街地の顔触れが変わることになる。


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