稚内北星学園大とまちづくり稚内は26日、稚内市内のまちなかメディアラボで中央地区に関するまちづくりセミナーを開いた。市民ら約30人が参加。同大の学生が中央地区の活性化策を提案したほか、中央地区再生会議で検討を進めてきた商店街活性化などについて報告した。
まちなかメディアラボは、同大が中心市街地活性化を目的に設立したサテライトキャンパスで、中央アーケード街の空き店舗を活用している。パソコン教室など市民が集える場所を目指して事業を展開していたが、26日で活動を終えることになったため、今回のセミナーを企画した。
第1部では「まちラボ発・中央地区への大学が果たす役割」をテーマに、学生らが今後に向けた活性化策を発表。まちラボ室長を務める同大の田村龍一准教授はこれまでの活動を振り返り、心掛けたこととして日々の情報発信、IT大学ならではの市民への貢献、大学のサテライト施設としての機能―の3点を挙げた。
学生発表では、林康平さんが中央地区でのビジネスについて報告。複合施設キタカラのアトリウムの活用を想定し、勇知イモや牛乳、ホタテなど地域の特産品を生かしたメニューを販売する6店舗の出店を提案するなど、観光客を取り込み活性化につなげる案を示した。
吉田優汰さんは図書館を使ったまちづくりとして、中央地区に予約図書を中心に扱う図書館設置や観光客を対象とした宗谷情報紹介コーナーを置き、読書を通して関心の上昇を図ることを提案した。
第2部は、中小企業基盤整備機構北海道支部が主催した中央地区再生会議の報告会を実施した。会議の検討内容をまとめた鈴木ひとし空間事業制作所の鈴木等代表が中央3丁目の再開発に向けた検討内容を報告。「健康」「つなぐ」「広場」を基本に、楽しみながら健康づくりができる施設案を説明し、参加者らと意見を交わした。
(北海道建設新聞2019年03月28日付16面より)