芸文館の解体、7月末に公告へ 事業費に30億円見込む 

2019年04月08日 18時00分

 札幌市は昨年9月に閉館した、さっぽろ芸術文化の館(芸文館)解体を7月末に、WTO政府調達協定対象の一般競争入札で公告する。解体事業費は約30億円を見込み、市有建築の解体では最大規模。建築A等級を参加条件に設定する。開札は10月中旬を予定。跡地の活用も注目されそうだ。

 芸文館(中央区北1条西12丁目1の1)はRC一部SRC造、地下1地上8階、延べ3万2790m²の規模。1971年に、北海道厚生年金会館として開業した。

 国の制度改革に伴い2012年に札幌市が28億円で土地、建物を取得。札幌商工会議所が施設を運営し、ホール部は「ニトリ文化ホール」の愛称が定着していた。

 客席数2300席のホールと大小の会議、宴会場を備えたホテル120室を併設し、コンサートや舞台芸術、イベントを通じ、長く北海道の芸術文化の発信拠点を担ってきた。

解体を待つ芸術文化の館・ニトリ文化ホール

 都心の北1条西1丁目に後継ホールの札幌文化芸術劇場「hitaru」が開業したため、昨年8月末にホテル、9月末までにホールを閉館し、その歴史に幕を閉じた。

 札幌日総建で解体実施設計をまとめ、19年度から解体工事に着手する。入札手続き後、4定議会で承認を経て12月解体を想定。3カ年で工事を進め、21年度末完了のスケジュールを見込む。

 大型ホールに、地下構造物を備えたホテルと、施設規模が大きく、解体では03年度の厚別清掃工場の約15億円、08年度の発寒第2清掃工場の約11億円を上回り最大となる。

 敷地は約1・1haで、解体後は札幌博物館の整備予定地や、MICE施設の建設候補地に位置付けられていた。その後、MICE施設の建設地が中島公園隣接地に決まったことで、解体後の土地活用に関心が集まる。

 周辺は地下鉄東西線の西11丁目駅に近く、教育文化会館、中規模イベントが可能なホテルが集積。展示会や学会などMICE実績も抱負で、民間活力を生かした集客交流施設を軸に、利活用検討が進む見通しだ。

 


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