企業ファイル 激動に挑む経営者たち

不動産取引業と境界標確認両輪で 中島測量設計

2019年04月21日 15時00分

石狩市に根付いた中島測量設計

 石狩市内を中心に測量業と不動産取引業を営む中島測量設計(本社・石狩)。測量と不動産のノウハウを持つ強みを生かし、リーズナブルな境界標確認サービスや親身になった不動産仲介を展開し、地元から支持されている。食や観光をテーマにした地域振興にも積極的で、浜益区の果樹園と共同でワイン用ブドウ作りに尽力。岩見沢市内の会社に醸造してもらい、来春には初の石狩産ワインを出荷させたい考えだ。

 中島量社長は3代目。祖父の常吉さんが1952年に厚田村(現在の石狩市厚田区)で、土地家屋調査士・司法書士事務所として創業した。58年に石狩へ移転。81年に父の淳さんが引き継ぎ、現在の「株式会社中島測量設計」を設立する。

 2007年ころの建設不況をきっかけに、公共事業に依存しない道を選んだ。着目したのが不動産取引業。宅地建物取引業者の資格を取り、宅地造成や開発行為などを手掛けるようになった。

 「エコタウン」の名称で、石狩市で19区画、札幌市手稲区で32区画を販売した。09年ころは公有財産の払い下げが多く、用地を確保しやすかった。しかし徐々に対象が少なくなり、資金力のある大手不動産会社に太刀打ちできない状況が続いた。

 事業規模を見直そうと、戸建てや集合住宅の不動産仲介に特化した。高齢化もあって資産の売却を望む人は年々増え、必然的に境界標を確認する仕事は増えた。

 早い、安い、安心、正確―をモットーに、境界標確認サービスを推進している。自社ホームページに初回お試し料金として、不動産業者向けは1件当たり2万9800円、一般個人向けは同3万5640円(どちらも税込み)と明記する。

中島量社長

 「不動産売買に精通しているので、必要な調査のみを効率よく進めることができる。低コストでサービスを提供できるのは、測量業と不動産取引業の二足のわらじのたまもの」と中島社長は話す。

 そうした取り組みもあって、石狩市の世帯数は18年12月末で2万7580と、前年より175増えた。土地が割安なため、最近はマイホームを求める若者が札幌から移り住むケースも目立つという。

 食や観光を中心とした地域振興にも熱心だ。過去には藤女子大花川キャンパスの学生と「北海道いしかりバーガー」を開発。13年からは浜益区内の果樹園と共同で、ワイン用ブドウの生産に挑戦している。

 シカやクマの食害に悩まされたこともあったが、ようやく今秋に収穫できそうだという。岩見沢市内の醸造工場に頼み、初の石狩産ワインを250本ほど製造する計画。ふるさと納税の返礼品に役立ててもらったり、市内の酒店で販売しようと考えている。

 「祖父と父が敷いてくれたレール。走り方は僕次第なので、これからは縁もゆかりも無い土地で勝負したい」と話す。全日本不動産協会青年部で以前会長を務め、仲間が多いことから「仙台で境界標確認サービスをしてみたい」と展望する。


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