e-kensinでふりかえる平成30年度

2019年04月30日 09時00分

 2019年4月1日から始まった平成31年度。行事や官公庁の文書などでは、改元前から「令和元年度」表記であったり、平成31年度と令和元年度を併記している場合も見受けられ、純粋な「平成」の年度としては「30年度」が最後となったともいえる。平成の終わりを迎えるに当たって、当サイトが30年度に伝えたニュースをランキング形式で紹介する。

(集計対象:2018年4月1日から19年3月31日までに公開した記事のうち、同期間の離脱率平均が66%以下の記事、閲覧数上位10位、カッコ内は北海道建設新聞での掲載日、Web掲載日の記載のないものは新聞掲載と同日にWebに掲載している)

 

1位:清田区里塚の被害甚大 大規模な地盤沈下、道路陥没も(2018年9月11日付12面)

地盤沈下などの被害が発生した

 18年9月6日に発生した北海道胆振東部地震。全道がブラックアウトによる暗闇に包まれる中、札幌市内では清田区里塚地区の住宅地で、大規模な地盤沈下などの被害が発生した。現地の被害状況や、部署を横断した対策会議の立ち上げを報じた記事が、18年度の閲覧数トップとなった。

 同地区では地域の建設業者がフル回転で暫定的な道路復旧に当たった。今後は再発防止策として地盤改良を予定。五洋建設・伊藤組土建共同体の施工により、20年11月末の工事完了を目指して進める。

 

2位:JR苗穂駅新駅舎と自由通路が11月にも開業(2018年4月24日付12面)

苗穂駅の新駅舎

 駅舎の移転・橋上化を進めていたJR苗穂駅。鉄道で分断された南北エリアがつながり交流人口の増加が見込まれるため、開業前から周辺では周辺地域の再開発の動きも活発化していた。新駅舎に対する期待は大きく、開業日を報じた記事に人気が集まった。

 駅舎と連絡歩道は報道のとおり18年11月17日に開業。16日に開かれた開業イベントの様子は、19日付1面と10面に掲載された。当サイトでは、1面掲載の「JR苗穂駅新駅舎が開業 橋上化、再開発動きだす」をイベント翌日・開業当日の17日に公開している。

 

3位:南22条NTT北海道セミナーセンタ跡地に商業施設計画(2018年8月3日付2面)

施設解体前のNTT北海道セミナーセンタ跡地

 跡地を活用し、食品スーパーやドラッグストアなどが入居する複合商業施設を建設する計画。

 周辺には分譲・賃貸マンションが多く立地しており、パンフレットなどでは複合施設の名称(記事掲載当時は仮称)「アクロスプラザ22条」が周辺施設として挙げられていた。記事には直接施設名は記載されていなかったものの、情報を求めるユーザーが検索などからアクセス、注目を集めた。

 本紙では、着工を報じた記事が19年3月20日付けで掲載。同日に「複合商業施設『アクロスプラザ南22条』が4月上旬着工へ」で公開している。

 

4位:HBC本社建設を熊谷組に依頼、20年春完成(2018年4月5日付2面)

 老朽化が進んでいることから、20年春の営業開始を目指して建て替え中のHBCの新社屋。現施設の東側に移転し、事務所やテレビスタジオ、自動車倉庫などを設ける計画だ。

 施工業者の決定を報じたこの記事では、解体され新社屋の建設地となる「HBCパーキング」についても合せて報道。営業終了した6月までの間、高いアクセスを受け、年間の上位にもランクインした。

 

5位:19年度から札幌市内の工事が本格化 北海道新幹線整備(2019年1月23日付1面)

 2019年度から本格化する札幌市内の新幹線整備関連工事。手稲区では札樽トンネルの発進立て坑掘削に着手。シールドマシンの製作も進める。トンネル出口から駅までの高架は、詳細設計に着手。ホーム設置のための在来線ホームの拡張の準備工も始まる。

 この記事では、市内の整備イメージ図などを交えて工事の計画を報じた。一時期Chromeアプリのお勧め記事で表示されていたことなども要因になり、上位10位の中では比較的新しい記事ながら、ランクインする結果となった。

 

6位:大通東1に再開発ビル 約10万m²、総事業費500億円超(2018年8月10日付1面)

 創世1・1・1区(そうせい・さんく)の一つ、大通東1地区。北電本店やバスターミナルなどを移転集約し、オフィスやホテル、店舗など複合機能を備えた再開発ビルを建設する。北側のホテルと南側の店舗をつなぐモール空間や、大通りから連続した緑化スペースなどが特徴。新幹線延伸や五輪招致なども視野に、最短で2029年度の開業を目指している。

 この記事では、再開発整備計画の詳細を、地図とともに紹介。マンション情報サイトの掲示板など、外部でも注目を集めていた。

 

7位:コメリ札幌市内1号店 発寒に出店計画、来春着工へ(2018年10月22日付2面)

 道内100店舗体制に向け、積極的な出店姿勢を取っているホームセンター大手のコメリ。札幌市内初出店となる「コメリパワー札幌発寒店」は、店舗(売り場)面積9347㎡、1日当たり約6000人の集客を見込み、11月の着工を目指している。

 10月の記事公開後、12月にはテレビ番組「カンブリア宮殿(テレビ東京系)」でコメリが特集されたため、記事にも再度注目が集まった。

 

8位:テイセンボウル解体へ 跡地8600m²利活用を検討(2018年7月23日付2面)

解体前のサッポロテイセンボウルとテイセンホール

 2015年に閉館したサッポロテイセンボウルとテイセンホール。この記事では、残されていた建物の解体を報じた。跡地は現在、一部がニッポンレンタカーのサッポロステーション営業所、残りは駐車場となっている。

 跡地には、北海道新幹線が札幌に延伸する30年度までに新たな施設を設ける考えで、商業施設の新設も検討中。こちらは19年1月31日付「サッポロテイセンボウルなど跡地に商業施設検討」で報道している。

 

9位:相次ぐホテル建設 札幌市中心部で11カ所、投資に熱(2018年5月16日付2面)

 この記事では、2018年から20年にかけてオープン予定のホテル計画を紹介。訪日外国人需要を見込んだ大手資本の参入や、敷地不足による立地の変化などを解説した、札幌中心部のホテル建設動向の総まとめとなっている。

 札幌市内のホテル投資については19年1月1日付の元旦号(22面)でも特集。当サイトでは「札幌都心への投資加速 ホテル建設ラッシュに沸く」として1月2日に掲載している。

 

10位:有人自動車道の第2青函トンネル 7200億円試算(2018年06月5日付1面)

有人自動車道を想定したトンネルのイメージ図

 北海道新幹線の貨物との併用走行やトラック輸送が海上のみといった課題を抱える本州-北海道間の連携。解決に向け、有人自動車道を想定した第二青函多用途トンネルが構想されている。

 構想研究会の提言によるイメージ図や、想定事業費などを報じた記事が人気を集め、年間10位となった。

 

番外編

ランキング圏外の記事や、アクセスは多いが集計条件に合致しなかった記事などから、印象的なものを紹介する。

 

その1:日本ハム新球場 北広島市内建設が正式決定(2018年11月01日付1面、Web掲載日10月31日)

BPとアクセス道路予定地

 北広島市内のきたひろしま総合運動公園に誕生するボールパーク。北海道日本ハムファイターズの本拠地球場を核に、レストランやホテルなども整備し、野球以外の豊富な楽しみ方も提示している。

 札幌市との間で誘致合戦が繰り広げられていたが、用地確保や自由度の高さ、充実した行政サポートなどで差をつけ、18年3月26日に候補地として内定。その後関係者間で協議を進め、10月31日の取締役会で正式決定をした旨を、1月ごろから進められていたコンペの経過などとともに報じたのがこの記事だ。

 新球場は23年の開業を目指す。最大の課題はアクセス面で、最寄りのJR千歳線北広島駅は改修が決まったが、直結の新駅設置については協議が続いている。道道として整備するアクセス道路は事前評価の対象となり、5月中旬の公共事業評価専門委員会で審議される。

 

その2:釧路に新名所「釧之助本店」がオープン 水族館や食堂も(2018年7月6日付11面)

波をイメージした外観の店舗

 マルサ笹谷商店(本社・釧路市)が釧路町で整備した笹谷商店釧之助本店。17年3月に着工し、18年7月5日にオープンした。

 販売所のほかバーベキューコーナーやレストランなどを設けており、新鮮な魚をその場で調理して食べられることや、道東初※の水族館などが特徴。オープン当初はネット上の情報が少なく、検索などからこの記事に閲覧者が殺到していた。

 本紙では以前にも、17年03月22日付の北海道建設新聞2面で、地鎮祭の様子と施設概要を報道した(web未掲載)。その際に、笹谷智貴社長が「地元の子どもたちや観光客が楽しめる施設にしたい」と期待していたように、観光客などから大きな注目を集める施設となったといえる。

※道東地域には標津サーモン科学館(標津町)、オホーツクとっかりセンター(紋別市)、北の大地の水族館(北見市)があるが、展示しているのはそれぞれサケの仲間、アザラシ、淡水魚。南国から北国まで広い地域、さまざまな種類の海水魚が鑑賞可能な水族館は初となる。

 

その3:2019年1―2月にオープン ベガスベガス釧路店新築(2018年5月3日付2面、Web掲載日5月4日)

 釧路市内初出店となる、釧路市幸町の「ベガス・ベガス釧路店」。紅白の外壁や、ウミガメが泳ぐアクアリウムが特徴の店舗だ。

 JR釧路駅近くにある現地では、元々1976年から総合スーパー「長崎屋釧路店」が営業していた。2003年から「アベニュー・クシロ」として再スタートしたものの、16年に閉店。元施設を解体し建設した。立地条件が良いことから当初はパチンコ以外の集客、物販店の誘致も検討していたが、マーケティング調査の結果、利用者向けの店内併設の飲食店のみの店舗となった。

 開店が近づくにつれ検索から多くの閲覧者が訪れたり、パチンコ情報サイトやDoCoMoのポータルサイト「dメニュー」のおすすめコーナーなど、外部サイトからも人気を集めていた。

 施設は当初の報道より早く、18年12月28日にオープン。当日は臨時駐車場が設けられるなど、盛況だった。


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