サハリン州・フィネコ社 オレグ・マルティノフ社長に聞く

2019年04月25日 07時00分

サハリンの建設業界に追い風/日本企業 参入余地大きく 

 本道から最も近い外国、ロシア・サハリン州。州政府が2019年建設関連予算に前年比8割増の273億ルーブル(491億円)を計上するなど、建設業界に追い風が吹いている。州内で土木・建設資材を製造し、さらに本道企業との貿易も手掛けるのがフィネコ社だ。オレグ・マルティノフ社長(56)が4月に来道したのを受け、現地情勢について聞いた。(経済産業部 吉村 慎司)

 ―事業の概要は
 持ち株会社フィネコの下に10社強の事業会社がある。従業員はグループ全体で約400人。最も売上高が大きいのは砂利生産だが、ほかに木材製造、倉庫、卸売り、小売りなどさまざまな部門がある。運輸関連部門では、サハリンの住友商事グループ企業も顧客だ。

 ―本道企業との取引も多い。
 釧路の浜谷建設と04年に合弁企業を立ち上げ、骨材製造や重機の貿易を続けている。これとは別に小売り部門で青井商店(旭川)の高機能手袋、北海道ゴム工業所(由仁)の融雪ゴムマットなどのロシア代理店にもなっている。日本企業の取引先は15社ぐらいで、半分以上が北海道企業だ。

 ―業績はどうか。
 18年のグループ売上高は約10億ルーブル(約18億円)。どの部門も好調で、過去最高だった。ロシアでは14年後半に経済危機が起こり、翌15年にかけてどの企業も厳しかったが、当社は16年から順調に回復している。

 ―全般的な景気は。
 経済危機前の水準に戻ってきた。危機の頃、中央銀行は自国通貨防衛のために金利をそれまでの8%程度から17.5%まで急激に上げ、民間銀行の金利は25―28%となり、経済活動が停滞した。だが最近では中央の金利で7%台、民間で12―15%ぐらいだ。ただ、ルーブル相場はまだ回復したとは言えず、輸入品は依然割高だ。

 ―サハリンには今、どんな開発計画・構想があるか。
 住民が待ちわびているのは空港の新ターミナル完成で、来年開業予定だ。州都ユジノサハリンスクでは、ソ連時代からの古い集合住宅街を近隣の再開発地に移す計画が市内のあちこちで進行中。新しく大型コンサートホールを建てる構想もある。個人でも戸建ての建築が好調だ。このところ住宅建設の3割前後が戸建てで、延べ床面積は毎年10万㎡を超えている。

 ―日本企業の参入余地は。
 大いにある。サハリンではすでに、岩倉建設などが日ロ合弁会社「北海道デベロッパーズグループ(HODEG)」を運営していて、私も関係者の一人だ。日本の建設業への期待感はまだまだ大きい。
 サハリンには韓国企業の進出が多く、マンション開発などの仕事を多く獲得している。中国企業は1990年代には目立っていたが、彼らは建設作業員も連れてくるため、地元の雇用につながらない問題があり、最近は少なくなった。

 ―日本企業には何が期待されているか。
 誰もが技術レベルの高さを認識している。デザインや設計はもちろん、施工指導もやってほしい。ロシアの建設業界は、外国資本100%では難しいため、現実的には合弁が必要だが、積極的に目を向けてほしい。

 オレグ・マルティノフ 1963年ロシア中部クラスノヤルスク地方生まれ。93年にサハリン州でフィネコを設立した。

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