技術革新・統廃合・IoT 平成の建設資機材を振り返る

2019年04月27日 12時00分

 新元号の令和まで残りわずかとなった。建設資材や機材に主眼を置いて平成の30年余りを振り返ると、日進月歩の技術革新が浮かび上がる。規制緩和や経済不況を背景に、企業と生産拠点の統廃合が加速。現在は少子高齢化や人口減少という新たな課題を抱えながら、AIやIoT、3Dプリンター、自動運転などをキーワードに第4次産業革命へ進んでいる。平成の建設資機材を振り返る。

「日進月歩で技術革新」

 平成の建設資機材を振り返るとき、代名詞の一つとなるのが建設機械だ。昭和から平成に変わると、都市部や住宅街での工事に適したミニショベルが急速に普及。「肩幅サイズのスーパースコップショベル」などのキャッチコピーで親しまれた。

平成初期にメーカー各社がこぞって市場投入したミニショベル

 全国各地でのダム建設や空港整備を背景に、超大型のダンプトラックやホイールローダも導入された。化石エネルギーの全盛期を迎え、ロードヒーティングシステムが公共や民間の施設で多く使われるようになった。

 建設業界でもIT化が日進月歩で発展した。現在は測量と設計・施工計画、施工、検査の一連の工程で3次元データなどを活用するi―Constructionが主流。その前身は施工段階でITを活用した情報化施工だ。

 情報化施工は、平成20(2008)年から公共の土木工事で使われるようになった。これに先立ち、大林組は平成10(1998)年ころから開発を進め、3年後に大阪ガス姫路製造所PC・LNGタンク建設工事で導入。大成建設はGPSと携帯電話を利用し、盛り土の転圧を情報化施工で管理するシステムを試行した。

 道内では、北海道電力による京極発電所新設上部調整池での情報化施工が、土木学会北海道支部の平成18(2006)年度技術賞を獲得。その後、西尾レントオールが情報化施工搭載のブルドーザを道内で導入し、話題となった。

 岩崎(本社・札幌)は、平成18年ころから情報化施工への取り組みを強化。トータルステーションなどの機器販売から施工分野への提案営業まで幅広く活動を展開し、道内中小建設業の導入支援を図った。

「メーカー統廃合が加速」

 平成の30年余りで、メーカーの統廃合は目まぐるしく進んだ。鉄鋼業界では日本鋼管と川崎製鉄が再編し、平成15(2003)年にJFEスチールやJFEエンジニアリング、JFE都市開発などが設立した。川崎製鉄の関係会社だった豊平製鉄は平成23(2011)年にJFEスチールが完全子会社化し、翌年からJFE条鋼豊平製造所として新たなスタートを切った。

 平成31(2019)年には日本製鉄が誕生した。前身は平成24(2012)年に新日本製鉄と住友金属工業が吸収合併してできた新日鉄住金。官営八幡製鉄所をルーツとする「日鉄」が復活した。

 建築材料・住設機器最大手のLIXILは平成22(2010)年の設立。トステムとINAX、新日軽、東洋エクステリアの4社によって生まれた。平成27(2015)年にはサンウエーブ工業を吸収し、合理化や商品力向上をさらに進めた。

 石油業界では平成11(1999)年に日本石油と三菱石油が合併し、日石三菱が誕生した。平成22(2010)年にジャパンエナジーを率いる新日鉱ホールディングスと経営統合し、JXホールディングスを設立。平成29(2017)年には東燃ゼネラル石油を子会社化し、JXTGホールディングスを発足した。エクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルなどスーパーメジャーに匹敵する石油会社となった。

 業界トップの太平洋セメントは平成10(1998)年、秩父小野田と日本セメントが合併して誕生。秩父小野田は小野田セメントと秩父セメントの合併で、平成6(1994)年に発足した。

 業界2位の宇部三菱セメントは宇部興産と三菱マテリアルが50%ずつ出資し、平成2(1998)年に設立。3位の住友大阪セメントは平成6(1994)年に住友セメントと大阪セメントが合併し誕生した。

 セメント会社の再編を受け、生コン工場の統廃合も進んだ。平成9(1997)年は札幌アサノコンクリートと東札幌アサノコンクリート、札幌小野田レミコン、当別レミコンの直系4社が統合に基本合意。平成12(2000)年に日鉄セメントの子会社4社が合併し、ニレミックスとして再始動した。

「AIやIoTが登場、第4次産業革命へ進む」

 令和の時代は、人口減少と少子高齢化を背景に、省力化や安全が引き続きキーワードになりそう。塗料メーカーは、作業者の高齢化に対応した施工性に優れる塗料を開発。道路機械メーカーは、人感センサーによる緊急ブレーキ機能を搭載したタイヤローラを上市した。AIやIoTなど最新技術を背景に一層の技術革新が期待される。


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