建設業、充足率は2割 道内新規高卒者の就職内定状況 

2019年05月10日 07時00分

 北海道労働局は、2019年3月の道内新規高卒者の就職内定状況をまとめた。内定率は前年同月と同じ98.4%で、前年に引き続き統計開始以来、過去3番目の高水準となった。一方で建設業の充足率は、前年度から2.7ポイント減の20.6%と、4年連続で3割を下回った。求人数が近年大幅に増加しているのに対し、内定者数は横ばいと、右肩上がりの求人数に追い付かず、厳しい人手不足の状況が続いている。

 19年3月卒の道内求職者数は全産業で、3.2%減の7393人。求人数は1万8953人と5.1%増加し、求人倍率は0.2ポイント上昇の2・56倍となった。内定者数は7274人で内定率は98.4%と、1991年3月卒と92年3月卒の98.6%に次ぐ高水準となった。

 建設業への就職状況の推移を見ると、13年3月卒では求人数が1228人、16年3月卒が2417人、19年3月卒が3549人と右肩上がりに上昇。7年間で2・9倍と大幅に増加した。一方、内定者数は13年3月卒が666人、16年3月卒718人、19年3月卒732人と7年で9.9%の増加にとどまった。

 充足率は13年3月卒で54.2%だったが、16年3月卒では3割を下回る29.7%、19年3月卒では20.6%まで低下した。高齢化のために技術力のあるベテラン技術者や技能者が減っているにもかかわらず、若者が入ってこないという危機的状況となっている。

 道労働局は、新規高卒者の求人数が増えている要因について、札幌市の再開発や北海道新幹線建設など大型工事が増えていて、建設業の求人自体が増加しているためと分析。大卒者だけでは足らず、高卒者まで求人を広げる企業が増えている現状がある。担当者は「求職者はより良い条件を求めている。人手の確保に向けて労働環境の改善が急務」と話す。


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