楢崎製作所(本社・室蘭)は、伊達市内のかぼちゃ保管倉庫新築を、同じ横河グループの横河システム建築(同・千葉県船橋市)が展開する「yess建築」の元請けビルダーとして受注した。これにより設計や基礎、設備、本体、外構を一括で担うことが可能となる。今後、システム建築のビルダーを事業の柱の一つにする方針だ。
システム建築は、S造の倉庫や物流施設、店舗、最終処分場、レジャー、スポーツ施設などを整備する際に適した建築方法。建物を構成する部材や建築のプロセスを標準化することで、高品質、短納期、低価格を実現する。横河システム建築が国内最大手。yess建築として全国で約8400棟を手掛けている。
yess建築では、発注者が元請けとなるビルダーに依頼した物件について、登録する全国1000のビルダーと取引がある横河システム建築が下請けしている。
橋梁製作を主とする楢崎製作所はこれまで、孫請けとして柱や梁といった鋼構造物部分の施工を担っていた。ただ、これでは柱と梁以外の部分に関わることができず、仕事量や利益が少なかった。
道内にはシステム建築の潜在的なニーズがあり、今後の拡大が見込めると判断。孫請け受注だけでなく、設計、基礎、本体の建築などを含めた一括施工体制を採り入れて事業規模の拡大を図ろうと考え、横河システム建築のビルダーとして2018年6月に登録。自社でできない部分を横河システム建築などに任せることにした。
元請けとして初受注した保管倉庫は、秋に収穫したかぼちゃを一時保管し、冬季に出荷するための一時的な保管施設。室温10度程度で保管し、年間約500㌧の出荷を見据える。農業法人のWindate(本社・伊達)から受注した。規模は平屋、延べ793m²で、幅25・2m、桁行31・5m、軒高6m。建設地は伊達市西関内171。10月31日の完成に向けて施工している。
同社の担当者は「これまで橋梁に主流を置いてきたが、建築分野出身の社員もいる。横河システム建築に派遣してyess建築のノウハウを学んだ。基礎から全てを担う下地はできている」と話す。「軌道に乗れば積極的に受注して実績を重ねたい。建築会社としての将来も考える」と見据えている。