林さん(萩原建設工業)、岩波さん(野田組)が受賞
十勝総合局は9日、帯広市の十勝合同庁舎でとかち未来チャレンジ賞表彰式を開いた。萩原建設工業(本社・帯広)の林真弓土木部主任(31)と野田組(同・本別)の岩波雄子土木部第2課主任(33)が受賞した。
表彰は地域が抱える課題に挑戦し、一定の意義が認められた個人や団体をたたえるもの。受賞者には賞状と記念品が贈られ、推薦した道職員にも局長から賞状が渡される。2019年度から始めた同局独自の施策で今回の受賞は4例目となる。
北海学園大工学部卒で入社10年目の林主任は現場代理人を務めて自然災害の早期復旧に貢献。岩波主任は国士舘大工学部卒の入社12年目。結婚と出産後も働き続ける女性の先例となった。2人はともに十勝建設産業の未来を考える会で高校生への建設産業PRや女性就業促進に携わり、これらが評価された。
式には三井真局長、星野信哉副局長らが出席。三井局長が2人に賞状を手渡し、記念品として十勝飲食店協会の食事券、ワインに合うおつまみとして管内で開発されたとかちピンチョス、帯広高等技術専門学院の職員が製作した木製の賞状入れが贈られた。

受賞した林主任(左)と岩波主任
三井局長は「男社会の現場でも高い意欲を持って活躍してきた。これからも女性ならではの力を発揮し、十勝の基盤整備を支えてほしい」と激励した。
林主任は「今は環境も改善され、女性でも難なく働けるようになった。私たち女性でもできるということで建設業が誰でも安全に働ける仕事だとアピールできた」と受賞を喜んだ。
女性現場代理人の強みについては「女性だからと取り合ってくれないことはない。むしろ女性だから話しやすい。災復現場というピリピリした環境でも平和に仕事を終えられた」という。
2人の子どもを抱える岩波主任は会社で初めてとなる産休と育休を取得した。「産休や育休は会社と話し合って制度を作ってもらい、育休は1人目が1年半、2人目は母子ともに健康で災復事業もあったため3カ月で復帰した。何より会社にはすぐ相談できる環境があったので子どもが熱を出したときなども気兼ねなく話すことができ、現場の同僚や下請け業者の方にも協力してもらえた」と話す。受賞に際しては「子育てしながら働ける環境を整えてくれた会社と支えてくれた家族には感謝している。ますます会社に貢献していきたい」と今後の活躍を誓った。(帯広)