ベトナム人実習生4人を重機オペレーターに 上田組

2019年05月31日 12時00分

 上田組(本社・標津)は、4月からベトナム人技能実習生4人を重機オペレーターとして受け入れている。彼らは会社が用意した寮で共同生活をしながら、現場で先輩たちから少しずつ操作法などを学んでいる。

 同社が受け入れたのは、元消防士のグエン・フー・タインさん(27)、元タクシー運転手のグエン・ティエン・クオンさん(28)、元自動車整備士のファン・ヴァン・トーさん(25)、元電気工事士のグエン・ヴァン・レさん(26)。自炊して生活費を切り詰め、故郷の家族に毎月5万円ほどの送金を続けるという親孝行な青年たちだ。

寮の前に並ぶ(左から)クオンさん、タインさん、レさん、トーさん

 彼らは、母国で8カ月から1年程度日本語を学習。昨夏、上田修平社長(当時・副社長)が現地へ赴き、面接で受け入れを決めた。来日後は3月に関東であらためて日本語や日本文化に関する研修、4月前半に滋賀県彦根市で外国人向けの車両系建設機械と玉掛けの講習を受けて資格を取得。同12日に標津入りした。

 彼らが暮らすのは、本社と同じ標津町川北地区にある寮。会社が旧開建事務所の建物を町から借り受けて改修を施し、それぞれにエアコン完備の個室が当たるようにした。

 4月中は同社の整備工場で重機操作やメンテナンスの基礎を学んだ。5月は草地整備の現場に出て、1人ずつ順番にブルドーザに乗り込み、炭酸カルシウムの混ぜ込みや種まきといった基本的な作業を身に付けている。

 環境が全く異なる異国の地でストレスも少なくないだろうが、4人は「ラーメン、焼き肉、アイスなど、日本の食べ物はおいしい。何でも食べられます」「会社ではみんな優しく教えてくれます。仕事は楽しいです」と前向きだ。

 同社工事部の工藤正好統括工事部長は「ホームシックにならないよう気を配りながら、早く戦力になるよう育成したい。不公平感を持たれないよう、4人それぞれに向き合っていく」と話す。ことしはブルドーザやトラクターでの草地整備が中心になる見通しで、6月にはブルドーザを1台ずつ任せる考え。

 4人の印象は「金の卵と呼ばれていた頃の日本人のように意欲的で純粋。向上心が強い」。1人と話しているときに難しい言葉があると、そばで聞いていた他の3人も一緒になってその意味を聞き返してくるという。この調子でいけば、戦力になるのも早そうだと工藤部長は目を細める。

 上田社長は「初めてなので不安はあったが、取り組んでみないと前に進まない。2020年度と21年度も2人ずつ受け入れ、その後は状況を見ながら検討していきたい」と話している。


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