川崎建設(京極町)は、開発中の下水道管点検ロボットの実用化に向け、着実に歩みを進めている。このほど実施した圧送管内部の撮影も難なくこなし、一定の手応えをつかんだ。将来的な普及を視野に、6月に仙台市で開かれる展示会などに出展しPRを図っていく。
昨今は下水道の老朽解消が全国的な課題。更生工法は管路内を綿密に調べて工法や優先順位を決める必要があるが、管路内を効率よく撮影する方法は確立されていないという。
同社が特許を持つ農業用暗渠清掃ロボットをベースに開発を進めている。医療で使う内視鏡のようにカメラ付き先端部が水の噴射で傾斜やカーブを自在に動き回るのが特長。大手コンサルタントの玉野総合コンサルタント(名古屋)と1年ほど前からビジネスパートナーを組み、技術のアピールに力を入れている。
28日には、展示会で使用するプロモーション映像を同社機材センターで撮影した。下水道管の中でも調査が難しい、河川横断などに使われる圧送管の内部をどれだけ正確に捉えられるか実験した。
暗闇の中に模擬管路を置き、地下に埋設されている状態を再現。外部と唯一つながっている口径75㍉の空気弁にロボット先端部を挿入し内部を撮影した。
モニターで映像を見た玉野総合コンサルタントの源田吉則上下水道部長は「鮮明。これなら下水道管の劣化具合がはっきり分かる」と話し、川崎建設の川崎宏社長は「改良が進んでることを実感できた」と胸をなで下ろした。
見学していた京極町の菊地史博建設課長は「地元企業の魅力ある技術として発信したい」と期待感を示した。
玉野総合コンサルタントは、今回の画像を6月5、6日に仙台市で開かれる新技術発表会のEE東北で、また8月には横浜市で開催される下水道展で紹介。下水道管路調査方法の有力候補として全国にアピールする。