北見工大は28日、地域と歩む防災研究センターの開所式を旧北見競馬場跡地にあるオホーツク地域創生研究パークで開いた。国や道、民間の関係者ら150人が参加し、新たな防災拠点の設立を祝った。
2016年8月に道東を連続して襲った台風を契機に、同大では橋梁工学、地盤工学、河川工学の専門家が垣根を越えて災害の原因究明に取り組み、18年7月の豪雨で橋脚がV字に折れ曲がった遠軽町の道道遠軽芭露線いわね大橋、北海道胆振東部地震に伴う札幌市の液状化や厚真町の斜面崩壊などを調査してきた。
同センターは5月1日に設立。これまでの研究に、機械・情報の専門家も加わり、災害研究や地域への災害情報発信力を深めていく。
センターには地域協働防災研究、インフラ耐災技術研究、突発災害調査研究の3部門を設置。地域協働防災研究部門では防災教育や避難情報アプリの開発、インフラ耐災技術研究部門では災害に強いインフラ技術の向上、突発災害調査研究部門ではICTなどを活用した調査の迅速化・効率化を推進する。
センター長に就任した川尻峻三工学部准教授は「道東では台風が発生すると降雨量が増えやすく、大規模な地震も発生する可能性があるといわれており対策は待ったなしだ。地域防災力の向上に貢献し、全道に発信していきたい」とあいさつした。
その後、模擬水路を用いて洪水時における橋台の背面盛り土の浸食実験を実施した。
(北海道建設新聞2019年5月30日付3面より)