札幌市は肉付けの一般会計補正予算案に、スノーリゾート基礎調査費800万円を計上した。都市型スノーリゾートの実現可能性や、新幹線延伸を見据え、他市町村との連携による世界的ブランドの確立を目指し、関係者の意見収集や先進事例、外国人観光客のニーズ・動向調査を進める。予算が可決すれば、7月にも調査を公募型プロポーザルで外部委託する。
スノーリゾート構想は、秋元克広市長の公約の1つ。商業や飲食店など都市機能が発展した大都市に、5つのスキー場を抱えるという環境は世界的にも少なく、その特性を生かすことでウインタースポーツと飲食、ショッピングが一度に楽しめる、都市型スノーリゾートエリアの可能性を探る。
北海道新幹線が札幌まで延びることで、札幌と他地域のアクセス時間が大幅に短縮。他のスキーリゾートと連携した集客力やブランドの向上策も検討していく。
2022年に中国の北京で冬季五輪が開かれるなど、アジア圏の冬季スポーツ人口は増加が見込まれる。ブランド確立で、30年に向けた冬季五輪・パラリンピック招致の機運醸成や魅力発信、アジア圏で急増する観光需要を取り込むことも狙う。
基礎調査費が措置されれば、7月にも調査検討の支援業務を外部に委託する。スキー場や関係団体から意見を聞くほか、欧州リゾートの先進事例や海外需要、訪日外国人観光客の動向把握を予定。関係者による協議の場の立ち上げも検討していく。