段取りの良さ生かし奮闘

諸沢宅哉(もろさわ たくや)さん
恵庭と釧路に工場を構え、建築鉄骨の柱・梁部材や橋梁部材などの鋼板溶断加工を手掛ける玉造(本社・札幌)に入社して5年目。
1996年2月2日生まれの23歳。現在は恵庭の第2工場でNCガス溶断オペレーターとして、日々奮闘している。
「段取りの良さは諸沢君の特長」と話すのは恵庭工場全体を統括する辻村真喜工場長。鋼板を切断するトーチを調整し、機械の稼働中はスクラップ(端材)を切断したり、鋼板の端部に色別表示を記すなど、仕事に無駄がなく常に動いている。
高校の進路選考時、求人案内で同社と出会った。金属製品加工のシャーリング業は未知の世界。重労働ではといった一抹の不安があったが、思い切って門をたたいた。
アセチレンガスやプロパンガスと酸素を用いて、熱によって鋼板を注文通りに切断する。3300度の超高熱を相手にするだけに、一瞬も気は緩められない。あこがれの先輩の背中を見て、仕事の段取りや安全作業について理解を深めた。
自身が手掛けた切り板は、さっぽろ創世スクエアや新国立競技場で使われた。著名な建築物に携われることが次の仕事の原動力になっている。
玉掛け、ガス溶接、クレーン運転士の資格を持つ。最近は日常扱う機械のメンテナンスがすぐにできるよう、電気工事士を目標にしている。「ガス溶断で分からないことは何でも諸沢に聞け―と言われる存在になりたい」と話している。