建設業界支える頼もしい裏方 タイヤショップ金

2019年06月17日 12時00分

 石狩湾新港地域を拠点に、タイヤの販売と交換作業を手掛ける。仕事はホイールローダーやモーターグレーダーといった建設機械をはじめ、トラックやバス、農業用トラクターなど法人向けが大半。建機メーカーや砕石会社、土木会社、リサイクルプラントなど多くの顧客を抱える。

タイヤショップ金の金社長

 社長の金政博さんは札幌生まれの54歳。10年務めた札幌市内のタイヤ販売店から独立し、1993年に「有限会社タイヤショップ金」を立ち上げた。翌年から、代理店としてミシュラン製品を販売するようになる。

 ミシュランタイヤは、使い始めから末期まで性能が持続するロングライフが特長。とはいえ、当時の建機向けタイヤは国内大手メーカーが市場を席巻していて、使ってもらうようになるまでは大変苦労したという。

 ホイールローダーなど建機のタイヤ交換は、ナットを使った普通車のタイヤ交換とは作業方法が違う。

 まずビードブレーカーという専用工具を使って、ホイル部分とタイヤ部分を離す。その際、タイヤ部分にはリムと呼ばれる金属パーツが付いていて、タイヤ側面を油圧クレーンで押しながら脱落防止用のロックリングを緩めて外さなければならない。その後、新品タイヤをリムに取り付けてホイル部分に差し込み、ロックリングをはめることで完了となる。

1㌧超の重量物をスタッフ2人で作業する

 1本で1㌧を優に超える重量物のため、作業にはクレーンが必須。ニードルスケラーという専用工具を使ってホイル部分やリムのさびを落としたり、タイヤのゴムが切れないようクリームを塗ったりするなど作業は手間がかかる。ホイールローダーの場合、前輪2本の交換で3時間ほどを要する。

 「いち早く現場に建機を戻してあげるのが、うちの使命」と金社長。例えば、午後6時過ぎに顧客からパンク修理の依頼を受けると、「あすの朝に作業へ伺います」ではなく「明日の朝までに作業を終えておきます」と答える。現場の生産性を下げることなく、常にベストの状態で業務に臨んでもらう―というのが同社の流儀だ。

 独立から25年余りが経過。顧客の支持を日々積み上げ、2017年には手狭のため発寒と新川の事業所を統合し、現在の石狩湾新港地域に工場兼事務所を建設した。

 敷地面積4085m²、延べ1372m²の広さで、トラック3台を同時に作業できる。スタッフは10人。客先へ出向いて作業することが多く、出張用のトラックは特殊仕様で6台保有する。

 顧客から出る難問にも、「やります」と答えるのが金社長のモットー。「タイヤ業界に入って37年目。飛行機と地下鉄のタイヤ以外は、何でも手掛けられます」と笑顔で話す。

 砕石会社から仕事をもらうようになって間もなかった頃は、切り羽そばに転がる石をよけたり作業路にたまった水たまりを処理したり、自ら現場を歩いて汗を流した。パンクは偶発的なトラブルだが、作業環境を整えることでタイヤ側面を切ったりするなどの事故は未然に防げる―。顧客を思うが故の行動だった。

 「原点回帰ではないが、あの頃のように採石場を歩こうと思っている」と金社長。持ち前の技術力と培った提案力を武器に、今後も建設業界の頼もしい裏方に徹する考えだ。


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