インターステラテクノロジズ(IST、本社・大樹)は13日、観測ロケットMOMO4号機をことし夏に打ち上げると発表した。5月に国内民間企業の単独開発で初の宇宙空間到達を果たしたロケットの後継機で大幅な変更点はなし。新たに宇宙から紙飛行機を飛ばす挑戦をするなど商業用打ち上げの地位確立も期待される。
同社は2006年に宇宙事業を始めたロケットベンチャー企業で、民生部品を用いた低価格でコンパクトな小型ロケットの開発を手掛ける。現在は小型人工衛星搭載ロケット「ZERO」の実験とMOMOの商業打ち上げに向けた改良に注力している。
打ち上げ予定の4号機には鋳造会社であるキャステム(本社・広島)の戸田拓夫社長の発案で折り紙飛行機を3機搭載。戸田社長は紙飛行機室内滞空時間のギネス保持者で、宇宙空間で紙飛行機を飛ばすのが夢だったという。全長約20cmの紙飛行機は高度100㌔で放出し、宇宙空間から大気圏を経て地表まで降下。ISTでは紙飛行機は軽量なため大気圏突入で燃えることはないとしている。
また平和酒造(本社・和歌山)からは自社で醸造した日本酒「紀土」をロケット燃料に添加する。紀土はことし6月から販売を開始し、売上利益のほぼ全額をISTに提供している。
ISTでは4号機打ち上げに向けたクラウドファンディング(CF)を開始した。寄付額は5000円から50万円まであり、金額に応じた返礼品を用意。目標額は2700万円で、期限は7月10日。