網走市は、老朽化した市役所本庁舎と西庁舎の一体的な建て替えに向けた基本・実施設計を、2020年10月に一括してプロポーザルで発注することを計画している。17日に開催した第1回新庁舎建設基本構想策定検討委員会で明らかにした。20、21年度に設計を進め、22年度に着工し、23年度末の完成を目指すというスケジュールを想定している。
市は15、16年度の2カ年で市役所本庁舎(RC一部S造、地下1地上3階、延べ5113m²、1964年造)と市役所西庁舎(RC造、3階、延べ1607m²、58年造)の耐震診断を実施。いずれも巨大地震に耐える強度がないと判明したため、17年度から耐震化の検討を開始した。
18年度に建て替え候補地として、現庁舎敷地や中心市街地の旧金市舘ビル跡地など5カ所で比較検討を実施。検討の結果、旧金市舘ビル跡地と南側にある市有地を合わせた約3950m²で計画を進める方針を決めた。基本構想策定支援業務はドーコンが受注。業務期間は20年8月31日までとなっている。
建設費については、現本庁舎と西庁舎の延べ床面積が7000m²であることから、新庁舎は同等の延べ床面積で建設する場合、建設費は概算で50億円を試算。しかし、現在よりも規模が小さくなる見通しのため建設費は減少するとみている。
委員会の初会合では水谷洋一市長から委嘱状を受け、一般市民25人が委員に就任。委員長に吉田穂積東京農大生物産業学部長、副委員長に北村譲二網走商工会議所会頭が就いた。
議事では、現本庁舎と西庁舎の現状や基本構想策定のスケジュールについて確認した。
市は、国の起債事業である公共施設等適正管理推進事業債・市町村役場機能緊急保全事業の活用を想定していることから、20年までに実施設計に着手したい考え。このため、20年8月までに基本構想を作成し、9月の定例市議会に新庁舎建設の位置を定める条例制定と基本・実施設計費を補正。10月ごろに基本・実施設計を一括してプロポーザルで発注する予定だ。