インテリアコーディネートで付加価値 物件を早く高く売却
ヤマチコーポレーション(本社・札幌)建材事業部は、中古のマンションや戸建てなどにインテリアコーディネートを加え、買い手の注目を集めることで売却を促すホームステージング事業を始めた。「cocochi(ココチ)」のブランド名で、エンドユーザーの満足度を高めるインテリア空間を提案。売却元の予算に合わせたプランを用意し、物件を早く高く売却できる手法として道内不動産会社から多数の依頼を受けている。
ホームステージングは、家具や照明、雑貨などのインテリア商材を売却予定物件に飾り、空間を魅力的に見せることで物件を早く高く売ろうとする手法。売却期間を短縮でき、不動産情報の媒体でも目に付きやすいなどの特長を持つ。
昨年11月から、ホームステージング事業に参入。もともとオリジナル建材などで道内の工務店やハウスメーカーと取り引きがあり、その一環でインテリアコーディネートのアウトソーシングパックを提供しようと考えた。サービス提携として、不動産業界向けソリューションのアモルフィ(本社・札幌)が営業支援を担っている。
不動産会社による買い取り再販や賃貸の物件に対し、付加価値を高める手法として活用を見込む。店舗の新規開業や民泊物件、モデルルーム、ウイークリーマンションにも有効とみている。
物件を抱える不動産会社にとっては、見栄えの良い物件写真を媒体に載せることで、内覧率のアップが期待できる。照明や家具などが置かれた状態なので生活のイメージが湧きやすく、世代や好みなど狙い通りの顧客をつかみやすいのも特長だ。
依頼から1週間以内に予算などを打ち合わせし、現地調査や見積りを踏まえて家具や照明、ラグなどを納入。20畳ほどのリビングダイニング空間なら2―3時間で設置を終えられる。その後、空間の写真を撮影し、全ての作業が完了となる。
家具や照明のほか、壁紙や床材を多数用意。時間と予算に余裕のある場合は、リノベーションを兼ねた部屋のトータルコーディネーションに発展させることも可能だ。
ホームステージング費用をどの経費で考えるかは、質問が多いところだという。同社は「固定費と考えると物件の仕入れ費としては上がってしまうが、在庫コスト費として考えれば手離れの良さから管理費や修繕積立金、広告宣伝費の圧縮につなげられる」と説明する。
24日には、ホームステージング事業をはじめ不動産マーケティングの最新事情を学べるセミナーを開催する。LIFULL(本社・東京)との共同主催で、なかなか聞くことのできない納品事例の紹介を予定。会場は北一条山地ビル2階のヤマチコーポレーションセミナールーム。3部構成で、午前と午後の2回実施する。参加無料、各回定員30人で、席はまだ若干余裕がある。
問い合わせは建材事業部、電話011(261)9955まで。