新幹線関連再開発に命運かける JR北海道小山俊幸副社長

2019年06月30日 16時00分

 北海道新幹線札幌延伸の翌2031年度に、連結最終利益の黒字化を目指すJR北海道。4月に示した長期経営ビジョン「未来2031」では、鉄道に加え開発・関連事業を強化し、経営自立達成という目標を掲げる。小山俊幸副社長は「新幹線に関連する再開発に命運をかける」と収益の核として札幌開業に焦点を合わせる。(経済産業部・武山 勝宣)

 ―長期経営ビジョンで連結最終利益の黒字化に向けた考えを示した。

 重要なポイントは、どうやって経営の自立を達成するかにある。そのためには赤字を克服しながら取り組んでいかなければいけない。経費節減は当然だが、自分たちだけでは解決できない課題の一つにローカル線の問題がある。沿線地域の皆さんの理解や協力を得ながら進めたい。

 北海道新幹線自体も赤字を抱える。函館までの暫定開業ということで十分な収益は得られていない。通過する青函トンネルは貨物との共用走行問題で速度が制限され、持てる能力を十分発揮できていないため、課題をクリアして高速化を図り、札幌―東京間を4時間30分で結びたいと考えている。

 こうした取り組みにより新幹線効果が十分発揮される札幌開業1年目に、経営自立を何とか果たしたい。

 ―収益確保の一つとして札幌駅周辺での不動産事業を強化する。

 経営自立にはグループ会社を含めて開発関連事業でどれだけの収益を得られるかも重要だ。16年前にJRタワーが開業し、ある程度の収益を得た。そういう意味で新幹線札幌延伸、札幌開業は大きなチャンス。新幹線駅を設置する北5西1街区は札幌市の土地だが、十分な協議・調整をした上で札幌の玄関口としてふさわしい開発ビルを造りたい。これによって開発関連事業の収益を上げていく。

 ―具体的にどのように進めるのか。

 新幹線に関連する再開発は命運をかけてやらなければいけない。そのために6月1日付で社内体制を変え、総合企画本部内に札幌駅周辺開発部という組織を立ち上げた。

 当面5年間の取り組みとして、ホテル事業では現在の都市型2館、JRイン5館から、さらにJRインを函館、札幌、苫小牧で3館増やし、全10館体制での運営を目指す。ホテルは自前で建設することもあれば、札幌のJRイン2館のようにテナント入居して運営することもある。どう展開するかがポイントになる。

 ―札幌駅以外でも苗穂や新さっぽろで駅周辺の再開発計画が進んでいる。

 JR沿線での再開発は、道外で住み替えなどを念頭に関東中心に進めているが、本道でも開発から時間がたった街が結構あるため、活性化を含めて検討したい。鉄道を利用してもらうため、若い世代を中心に、いかにJR駅周辺に住んでもらえるかが重要。単独ではできないことだが、さまざまな事業者とタイアップして考えていければいい。

 そういう意味で新さっぽろエリアは有望な土地だと思う。JR北海道が直接的に再開発に参画する状況にはなっていないが、新札幌駅は重要と位置付けている。今後、利用者も増えると思うので、それに対応できるような交通網整備をしていきたい。

 ―新千歳空港駅の駅ホームと路線の改良案が浮上している。

 新千歳空港駅での苫小牧方面通過は構想として持っていて、今後、検討する。今は道内空港一括民営化の優先交渉権者選定をしている段階だ。それらの結果を踏まえて、運営権を持った事業者の空港整備に対する意向を把握し、何ができるのか考えていく。

 新千歳空港の利用者は年々増えている。千歳線として今後、どうするのか。まずは輸送整備として快速エアポートを来春に1時間4本から5本にするよう増発の準備を進めている。4年後には北広島市でのボールパーク開業を控えているため、いろんな事業を展開したい。

 小山俊幸(こやま・としゆき)1957年5月21日生まれ、62歳。東京都出身。81年3月東大経済卒。同4月日本国有鉄道入社。民営化した87年4月に北海道旅客鉄道総務部勤労課副長を担当し、2012年6月に常務取締役総合企画本部長、17年6月に専務取締役総合企画本部長を歴任し、18年6月から現職。

(北海道建設新聞2019年6月8日付2面より)


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