383河川に危機管理型水位計 道建設部

2019年07月05日 19時00分

8.4億円投じて設置

 道建設部は、中小河川緊急治水対策プロジェクトに基づいて設置を進めている危機管理型水位計について、2019年度は383河川での設置を予定している。19年度当初予算と18年度補正予算の計上分を合わせ、設置費は約8億4000万円を見込んでいる。同部では18―20年度の期間内に583河川への設置を計画しているが、19年度でその大部分を終える考えだ。建管別では札幌が最多の65河川を予定している。

 17年7月の九州北部豪雨を踏まえて実施しているもの。この豪雨では、氾濫した中小河川で避難判断に必要な水位計の設置が進んでいなかったために、水位状況の把握が困難だったという実態が浮き彫りになった。

 豪雨を受けて、国土交通省と全国の都道府県が連携して実施した緊急点検では、土砂・流木対策、河川の再度氾濫防止対策の必要箇所とともに、洪水時の水位監視が必要な箇所も調査。道内では新たに583河川の587カ所への水位計設置が必要だと判断した。

 同部では、緊急治水対策プロジェクト初年度の18年度は187河川に設置を終えた。19年度の設置予定は383河川で、18年度補正予算で5河川に約1000万円、19年度当初予算で378河川に約8億3000万円の予算を計上した。ただ、設置は関係市町村と協議を行いながら進めるため、今後、数量が変わる可能性がある。

 建管別の設置予定河川数は、19年度当初予算分が、札幌以外では、小樽が31河川、函館が48河川、室蘭が29河川、旭川が60河川、留萌が17河川、稚内が12河川、網走が38河川、帯広が46河川、釧路が32河川。18年度補正分は小樽と旭川が各2河川、留萌が1河川で計画している。

 設置する危機管理型水位計は洪水時の水位観測に特化し、機器の小型化とコスト低減を図ったもの。同部では、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3カ年緊急対策で約570カ所に設置予定の河川監視カメラと合わせて、中小河川の監視を強化することで、住民の円滑で迅速な避難につなげる考えだ。


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