北海道胆振東部地震による土砂崩れで、19人が亡くなった厚真町吉野地区で25日、供養会が開かれた。幌村建設・遠藤組共同体が請け負う、厚真吉野災害関連緊急急傾斜地1工区の現場内に、吉野地区の復旧工事に携わる関係者、発注者、遺族ら計100人が集まり、犠牲者に祈りをささげた。
法光寺(えりも町)の住職、佐野俊也氏が代表を務めるカフェ・デ・モンクえりもが主催。同団体は厚真町のボランティアサークルなどとの傾聴活動を通し、被災者の精神的ケアに当たっている。
供養会は、幌村建設が発案し、室蘭建管と胆振総合局林務課発注の吉野地区災害復旧工事を担っている8現場の関係者に提案。同団体が発注者と遺族に声を掛け、実現した。
参加者一人一人が焼香し、犠牲者を弔った後、佐野代表は「皆さんは命も財産も思い出も失い、心を傷めながら暮らしている。この場所でのお勤めは、複雑な思いがあるのではないか」と言葉を掛けた。
その上で、「危険と隣り合わせで従事されていると思う。互いに助け合い、どうか安全に工事を終えてほしい」と関係者の無事を願った。
幌村建設の幌村司社長は「人々が暮らしていた場所で仕事をしている。安全祈願も既に実施しているが、工事関係者の心を平穏に保つためにも供養会を行って良かった」と話した。(苫小牧)