札幌都心交通研究会は、観光貸し切りバスの路上停車数を減らし、円滑な道路交通確保に向けた実験を25日に始める。2018年の実証実験で一定の効果を確認できたため、引き続き道路空間と既存商業施設を一体的に利用した乗降所や待合所を設置する。期間は9月30日までを予定している。
観光貸し切りバスの乗降場所に明確なルールがないことから、18年は10月から12月まで実証実験を実施。商業施設「ノルベサ」前[MAP↗]に乗降所、同施設に待合所を置いた。その結果、すすきの、大通、狸小路エリアの路上における観光貸し切りバスの駐停車台数が約6割減少。実験前に渋滞していた15区間のうち、10区間の渋滞が解消された。
19年2月に実施した地域主体の実験でも乗降所は多くの観光貸し切りバスが利用し、待合所設置によりバス利用客の歩道上での待機も解消された。
25日から実験が始まるが、本格運用に向けた課題として、都心部全体での展開の必要性やモラル向上を促す方策の検討、採算性などが挙がっている。
このため同研究会では今後、対象エリアの拡大やモラル向上などに向けた予約制の導入・料金収受、警備員・誘導員の配置、費用負担者・割合などのスキームを検討する必要があるとみている。
(2019年7月25日付の北海道建設新聞より)