道建設部長の小林敏克氏にインタビュー/震災復旧に全力

2019年08月11日 09時00分

建設産業の持続へ下地づくり

 6月1日付で道建設部長に就任した小林敏克氏は、北海道建設記者会の共同インタビューに応じ、昨年発生した北海道胆振東部地震の早期復旧を目指して全力を尽くすと強い決意を示した。大規模自然災害が頻発する中、インフラ強靱(きょうじん)化の重要性を強調し、ハードとソフト一体的な防災・減災対策を推進するほか、道内建設産業が持続的に発展できるよう、その下地づくりに力を注ぐと抱負を語った。

 ―就任の感想を。
 2年ぶりに本庁に戻ってきた。2年前は2016年台風災害の発注や施工が本格化する前で、今回戻ってきたタイミングがたまたま胆振東部地震の復旧が本格化するところ。前回やり残したことをこれからやる印象だ。
 ―胆振東部地震への印象と今後本格化する復旧工事について。
 地震の規模の大きさにあらためて驚いている。厚真町を中心に斜面崩壊が6000カ所以上あり、その面積が13・4平方㌔という異例の大きさ。防災・減災対策を着実に進め、強靱化を図ることが重要だと再認識した。
 道工事では道路や河川など合わせて158カ所、262億円の被害が発生した。6月末現在の復旧工事の進捗(しんちょく)状況は、応急工事も含めて、工事着手済みが151カ所で着手率は96%、そのうち復旧が完了したのはわずか18カ所だ。
 工事を安全かつ円滑に行うため、厚真町、安平町、むかわ町で発注機関と受注者からなる「胆振東部地震災害復旧工事安全連絡協議会」を3月に設置した。発注予定や土砂運搬時期などの情報共有で連携を図り、一日も早い復旧・復興に全力で取り組んでいく。

 ―入札の不調・不落も懸念される。
 不調・不落防止のため、地域外の建設企業や技術者の専任要件を緩和した共同企業体の活用、発注ロットの大型化やフレックス工期制の導入などで円滑な執行に努めている。ただ、交通誘導員不足が一番の懸念。2月に、国、札幌市、関係団体と「北海道交通誘導員対策協議会」を開催し、情報共有を図った。胆振東部地震災害復旧工事安全連絡協議会も活用し、交通誘導員の円滑な確保や効率的な配置を進める。

 ―本道のインフラ強靱化をどう進めるか。
 本年度の北海道強靱化アクションプランでは、自然災害に対する脆弱(ぜいじゃく)性の克服に向けた防災・減災対策を柱に、住宅・建築物の耐震化、治水、暴風雪・豪雪対策のほか、土砂災害警戒区域の指定など、取り組むべき具体的な施策を明らかにしている。ハード・ソフト両面から計画的かつ一体的に防災・減災対策を進めたい。
 ―インフラの老朽化対策にはどう取り組むか。
 北海道インフラ長寿命化計画に基づき個別施設ごとの具体的な対応を示す個別施設計画を定めていて、本年度は下水道や海岸の水門・陸閘(りっこう)について策定する予定。対象施設ごとに対策や優先順位を定めてトータルコストの縮減や更新費用の平準化を図り、社会資本の保全に取り組む。

 小林 敏克(こばやし・としかつ)1960年8月30日生まれ、58歳。旭川市出身。83年に北大工学部を卒業し、道庁入り。総合政策部社会資本課長、渡島総合局副局長兼桧山振興局副局長、建設部技監、桧山振興局長を歴任し、現職に。

(2019年7月30日付の北海道建設新聞1面から抜粋。本紙に全文を掲載しています)


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