余市町は、道の駅「スペースアップルよいち」の移転を含めた再編・整備と官民連携による道の駅運営に関する事業調査のため、近く公募型プロポーザルを公告する。移転の場合は、2018年12月に開通した後志自動車道の余市IC周辺を想定している。9月中旬以降に業者選定し、20年3月までに構想案をまとめる。
同駅(黒川町6丁目4)は229号沿いで、ニッカウヰスキー余市蒸溜所に隣接している。敷地内には余市宇宙記念館や売店があり、大型車7台、普通車103台分の駐車スペースを用意している。
駐車場のうち、普通車60台分の土地はニッカから無償貸与されている。同社は近年のウイスキーブームで業績が好調なことから、余市蒸留所の施設拡張を検討。町に土地の返還を打診している。
道の駅の要件は、24時間利用可能なトイレと道路情報コーナーの設置となっているため、駐車台数を減らしても維持は可能。しかし、混雑するお盆時期は駐車スペースが足りず、近くの町有地を臨時駐車場として開放している状況で、ピーク時の駐車場不足は明らかだ。
今回の調査では、移転と現在地での再編の両方を念頭に交通量調査、利用者や町民アンケート実施のほか、民間企業に対する施設運営の参加希望調査も行う。
移転候補地は固まっていないが、余市IC周辺で車の流れを把握し、建設地予定地を絞り込む考え。宇宙記念館については現在地で存続させる。
プロポーザルの参加要件は、余市町の入札参加資格を持ち、道内に本社か本店、営業所を置く者となるもよう。過去に道の駅や類似施設の同種調査実績を求める可能性がある。
町は調査に当たり、国土交通省が官民連携事業(PPP/PFI)推進のために実施する、先導的官民連携支援事業の事業手法検討支援型に応募。1日付で「道の駅機能の移転・再編と道の駅を核とした余市IC周辺地域の整備・運営に係る官民連携事業調査」として支援案件の決定を受けた。交付予定額は800万円。