BULBが優秀賞 デジタルガレージの企業育成成果報告で

2019年08月06日 15時00分

 IT開発などを手掛けるデジタルガレージ(本社・東京)は、昨年11月から取り組んでいる不動産関連のスタートアップ企業育成事業の第1期を終了した。参加企業の成果報告イベントでは、設立初期企業が競うピッチコンテストを開催。オフィス間取り図の自動VR化サービスを手掛けるBULB(バルブ、本社・札幌)が優秀賞を獲得した。家具メーカーとの協業やBtoCへの展開の可能性などが評価された。

 デジタルガレージが進めるスタートアップ企業育成事業の一環で、プログラム名は「Open Network Lab Resi―tech」。「暮らし」に特化したプロダクトやサービスを創造する企業を対象にした。プログラムは、竹中工務店や三井不動産、野村不動産ホールディングスなど大手不動産・建設会社7社と連携。創業期の会社を中心に同社が資金提供し、コンテストを通じた連携企業からの資金調達や実証事業への参加で成長を後押しする。

ピッチコンテストで発表するBULBの阿部社長

 今回のプログラムに応募した全94社の中から、創業初期の4社と成長期の5社を選出。4月から連携企業などによる支援プログラムを進め、1日に同社本社で成果報告イベントを開催した。

 BULBの提案する「AutoFloor」は、オフィスの間取り図面の読み込みと家具の3DCG作製、最適なレイアウト提案を自動化したサービス。1物件当たりのVR化費用を数十万円から数千円までコストダウンし、導入費用を大幅に抑えた。

 新築ビルだけでなく改築後でも図面さえあれば、契約前に視覚的なシミュレーションができるため、営業開始を早められる。入居者の検討機会拡大や成約までの期間短縮、仲介コスト削減につながる。

 働き方改革でオフィスレイアウトが注目される中、営業の効率化やマーケティング支援ツールとして、ビルオーナー、オフィス物件の仲介業者向けに提案を開始している。

 既に大手オフィス家具メーカーへの導入が決定。国内のオフィス家具営業代理店への営業網の構築を始めている。

 阿部友暁社長は「知名度が上がり関係企業が増えると家具のデータの蓄積が増え、よりレイアウトの組み合わせの幅が広がる」と期待を寄せ、「家具メーカーなど北海道発の企業ともシナジーをつくりたい」と話した。オフィス向けのBtoB市場から、将来的にはオンラインでの家具販売などBtoC市場への参入を検討。「建物内装やインテリアなど幅広い分野で快適さや効率化の向上を目指したい」と意気込んだ。

 成長期企業の分野では、THIRD(本社・東京)による不動産の設備管理業務を効率化する「管理ロイド」が優秀賞を受賞。紙媒体でやりとりされる点検表、検針表、作業完了報告書などをアプリ化し、メーターを撮影するだけで検針項目が入力できる機能や設備から出る音を解析して異常検出する機能を設けた。省力化とミスの軽減につなげる。

 このほか、段ボール宅配型トランクルームサービス「Sharekura」や、宅配ボックスの設置ができない住宅向けのスマートロック付き置きバックシステム「OKIPPA」などを発表。成長期の5社は連携企業と実証事業を開始し、プロダクトやサービスの課題解決などに取り組む。


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