事業拡大見据え札証アンビシャス上場
グランファーレブランドの分譲マンションなど不動産開発を手掛ける日本グランデ(本社・札幌)が6月、札証アンビシャスに上場した。調達資金は不動産賃貸事業の開発資金に充てるほか、将来の事業拡大を見据え、首都圏で初進出となる分譲マンション供給の準備を進める。平野雅博社長に上場後の経営展開や、札幌市内のマンション市況などを聞いた。(経済産業部・武山 勝宣)
―上場の狙いは。
パブリックカンパニーにしたいというのが創業からの夢だった。特に不動産営業は認知されていない部分があるので、上場することによって知名度が上がるし、資金も柔軟に対応できる。中でも人材を広く募集できるのは最大の魅力。弊社は少数精鋭のため、広範囲から人を求めている。株を売った資金は、琴似で建設中のサービス付き高齢者向け住宅に全て投入する。
―札幌圏での分譲マンション市場をどうみるか。
中央区が一極集中で高過ぎる状況にある。本州デベロッパーがたくさん進出してきて値段をつり上げているためだ。これから安定的に供給するには、中央区は外して、駅が近い他のエリアで手掛ける。2019年度は150戸程度の供給を予定していて、次年度以降はもう少し増やしたい。
―土屋ホームと初の共同事業プロジェクトを展開した。
共同事業のメリットは資金に加え、互いのネームバリューを生かせることができる。これを十分に活用しながら、他のデベロッパーとも組みたい。
―今後の展開を。
首都圏でやりたいと思っている。2年以内には分譲マンションが出せるのではないか。今、神奈川県と千葉県で探っている。東京23区で商売するのはなかなか厳しい。そういった意味では、郊外ではないが両県は魅力ある土地なので、そこにリーズナブルな物件を出していければいい。札幌証券取引所の本則市場に3年以内で市場変更し、供給戸数を増やして企業体質を上げたい。
(北海道建設新聞2019年8月7日付2面より)