札幌市は、北海道胆振東部地震の影響で地滑りが発生した清田区の里塚霊園で、地盤の安定化に向けた対策に乗り出す方針だ。隣接する住宅地では建物が傾くなどの被害が発生しているため、住宅地と接する緑地帯に押さえ盛り土を施すことを検討している。地域住民の同意を得て、年内の着工を目指す。
対象は美しが丘5の9などに隣接する里塚霊園の緑地帯。民間会社が周辺の宅地造成と合わせて河川を火山灰で埋め立てた。
専門家の分析や地質調査の結果、被害の主な要因は住宅地側から霊園側に向かって低くなる、高低差による地滑りと判断。高低差は最大で約3㍍ある。
対策として、法面に接するように緑地帯に盛り土をすることで地滑りを抑制。土量は約1万立方㍍を想定する。
着工は年内を予定するが、その後に冬期間を迎えることから整備には2カ年を見込む。
宅地の復旧はこれまで通り、所有者による再建を求める。
28日に住民説明会を開き、調査結果や対策工の内容、スケジュールなどを報告する予定だ。